「製品レビュー」峰電 Filter PLUS
今回は購入してみた、峰電さんの「Filter PLUS」について、忖度なしのレビューをしたいと思います。
峰電教の皆様には配慮していません。綺麗事だけをいうのは雑誌とかのレビューなどで十分です。あくまで個人的なただの趣味のブログなので、自分本位でレビューして情報を発信します。
峰電についてご存知がない方は以下に公式のページを載せておきます。
これ以降はただの個人環境におけるレビューなので万人には全く参考にならない、峰電さんへの期待を込めてのレビューとなります。このレビューは万人には参考になりません。あくまでネットの賑やかしです。
峰電とは
音フェチの店主が気の向くまま気持ちの良い音を追求し、発見した結果をうっかり頒布している。またコスパ良く効果を上げる方針である。(引用: https://www.mineden.net/)
以下蛇足。
峰岡さん https://twitter.com/mine_electric が研究開発して、音質向上に繋がる小物を現在扱っています。
Filter PLUS とは
電源のフィルター回路の性能向上に役立つようです。
使用方法は、ディストリビューターの空端子に挿し込むだけである。数秒かけて音が変化していき、低域の輪郭がハッキリしてくる事を感じ取れると思う。
(引用: https://www.mineden.net/))
そんな製品です。
大体の電源ディストリビュータにはフィルター回路が内蔵されています。
価格
良心的。送料含めると 4,000 円。
小物の大量生産品じゃないので、原価と作業台を考えたらかなりコスパはいい。
さっさとレビューしろ
私自身も前置きとか面倒なんで結論だけ述べる。
4,000 円のコンデンサ回路に忖度なしのレビューとか大人げないと思うが、自分に嘘はつけないのでここでは本音のみを語る。
一応、もう一度念押しで、4,000 円で効果の具合がわかるものなので、製品自体は素晴らしいと思うが、忖度なしをレビューを以下にする。
私の環境では不採用でした。
確かに、製品説明通り低域の量感に変化を与えます。
各個人の感想なので、スルーに値するような内容を以下に述べると、個人的には低域の輪郭強調はだいたいどの曲を聞いても同じところ、自分の場合 120Hz あたりにしか効果は感じられなかった。
何度もいうが、4,000 円の愛の籠もった製品だからそれですらありがたいものだが、特定の低域の強調感がちょっとわざとらしく感じる。これはあくまで一個人の感想である。
低域の輪郭よりも決定的な不採用の理由
低域の輪郭などは自分が把握してれば、いろいろな環境で聞いて自分自身に調整機能をつければいい話だが、決定的な弱点がこの製品には存在した。もちろん、弱点は私個人が感じるもので、考慮しなければ弱点でもなんでもない。
論より証拠。検証用の音源を以下に紹介する。権利の関係上、ただのドラムトラックです。
32-bit float/48kHz のデータです。聞いている音自体は完全に同じ状況の内部バウンスなので、電源以外の違いは全く考慮しなくていいです。アナログ出しもしていないので、コンピュータ内処理だけでで音が変わります。
Filter PLUS を電源系統に挿して Bounce した音。32-bit float/48kHz のデータ。アナログ経路は一切関係なし。
Filter PLUS を電源系統から抜いて Bounce した音。32-bit float/48kHz のデータ。コンピュータのみの内部処理。
両信号とも、信号経路は Pro Tools 内のセッションのドラム処理をした信号を内部完結しただけの信号である。
コンピュータ完結でこれだけ音に差が出ます。自分の環境ではコンピュータ、インターフェイス、スピーカーが影響受けたことでしょう。自分の環境では致命的でした。
どこか違うかわかんないだけど…?
ネット経由だと、ちゃんと音源を聴き比べが環境によっては難しい場合もあるが、明らかに音が違うと理解できるだろう…?
できない…? そんな方へ以下解説。
1. 低域の改善は見られたが、超低域の音への影響が強い
キックはタイトで素晴らしい音 (?) であるが、ルーズな Sub Bass の存在がどこかに消えてしまった。
もっと専門的な言い方をすると、Sub Low にあたるトランジェントの余韻がいなくなってしまった。
キックのチューニングが上がって聞こえると思う。Sub Low がどこか消えているので 6kHz あたりのアタックがより強調されている。Kick は Sub も十分感じられる Filter PLUS なしのほうが好みである。
2. 中高域のトランジェント (スネア) がどこかに消えてしまった
非常に残念なのが、トランジェントが消えてしまっている。これは私にとって決定的な不採用理由である。
スネアに着目して聞いてほしい。もしかすると大口径のスピーカだとわかりやすいかもしれないが、ヘッドフォン等でも、スネアの立ち上がりのものすごい短い数ミリのトランジェントがいなくなっている。
ヘッドホンだと気づくのには難しいかもしれないが、若干スネアの音像が引っ込む。トランジェントへの影響は私にとっては死活問題なので、ここで敢え無く自室スタジオのインテリアとなった。
3. 中域と高域の重心が下がる (というよりフィルターかかってる?)
これがいいか悪いかでいうと、別にどちらでもないのだが、私の求めている音はもっとレンジが広いんだ。トランジェントの影響が非常に大きいが、シンバルもスネアもほんのちょっぴりチューニングが下がって聞こえる。これはトランジェントが減少した影響も含まれるだろうが、良し悪しのどちらでもない。ただ好みにあっていないだけの問題だ。
もしかすると高域の部分に内部のフィルターの悪い部分が可聴範囲に影響してしまい、高域のトランジェントの減衰に一役買ってしまったのかもしれない。これは製品が悪いのではない可能性もある。
4. ステレオが若干崩壊する
ドラムの音源だとわからずらいが、ステレオの広がりが狭くなる。これも結構致命的な音像変化であった。
シビアに音像を聴き比べてほしい、左右の広がり特にシンバルの広さを違いを感じて下さい。
5. 中域の音像が崩壊する
これを使ってボーカル混ぜを行っていたところ、いつもよりなんかミックス難しいな全然うまく混ざらないな…と感じていた。
抜いたところ、改善してしまった。少し検証してみたところ、たしかに 4kHz、6kHz あたりのフォーカスが良くなるが、音像が散ることに気がついた。
特に複雑に信号が絡み合う帯域がぐちゃぐちゃしてしまった。抜いたらいつも通りミックスできてしまったので、非常に残念だ。
おまけの追記
「Reverb プラグインのディティールが影響して変化しているが、そこしか違いはないし、電源でデータが変わるわけがないありえない。」
的なコトをいわれた (気がする) ので Reverb を切って同じ用に書き出しして、Invert の試験。
ちなみに RX 等で波形を拡大して見比べても全く違いはわからない。
Invert でのチェックは完全に信用できるものではない、と個人的には理解している (色々チェックが大変なのよ) が、トランジェントの違いが観測されたので、自分の耳が腐ってなかったことの証明になればいいかな…?
もちろん、フィルターを使っていない状態で 2 回 書き出しして、その 2 つの信号で Invert チェックしたけど、その信号は確認できる範囲で無音で +150 dB の範囲以内に問題は起きていないのは確認した。
もちろん、これはあくまで私が確認した環境で起こった現象であり、複雑な要因がいくつも絡んで起きる事柄だと思いますので、ただのエンターテインメントとして考えればいいです。これはあくまで個人的な実験で自分の記事の内容を補佐するものであり、自分の主張を擁護するための方便です。
この製品の良いところ
申し訳程度に擁護しておく。
安い!
手間賃と材料費考えたら、安い。
オカルト系なんて、ぼったくればいいのに。安い。(オカルトではない)
実際に効果がある
低域の輪郭はたしかに変わる。低域の見えるがほしい場合にはあり。
ただし個人的には失うものが多いのも事実。
今後に期待!
まぁ自分の環境が良すぎたのかもしれない。
いつか峰電さんにちゃんとしたフィルター作ってもらいたいです。
ホントに。だから遠回しなレビューを書きました。
またね!