【プラグインレビュー】Newfangled Audio Saturate 1.10!

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【プラグインレビュー】Newfangled Audio Saturate 1.10!

【プラグインレビュー】Newfangled Audio Saturate 1.10! 

こんにちは。

普段はプラグインことを別に記事にして紹介もしませんが、今回ご紹介するプラグインの Update が素晴らしかったので、たまにはやりたいと思います。

Saturate 1.10


このプラグインは名前の通り、サチュレーションを追加する歪み系のプラグインで、基本的には音を飽和させ、倍音を付加していくプラグインです。

ですから、必要ない人にとっては必要ないかもしれませんが、私にとってこのプラグインは使用できないと死活問題になるくらいの立ち位置います。

正直パっと見は何じゃこりゃ? である。

こんかい、Update 記念ということで記事を書くことにしました。

Ver 1.10 では、魅力的な機能が追加されましたので、それも踏まえつつご紹介していきたいと思います。


プラグインとの出会い

このプラグインを直接的に紹介されたことはないのですが、Newfangled Audio に Punctuate というトランジェントシェイパーがあり、それを福山 Cable の出原さん @dhra_ が紹介していたのをきっかけに興味を持ちました。

Punctuate は最大 26 バンドのフィルターにまたがり、トランジェントを制御できるというアホみたいな設計のプラグインです。最初はその見た目と意味不明な 26 バンド制御に「おれは絶対使いこなせない難しいプラグイン」という先入観をもってガチスルーしていました。

しかし、私は単体トラックに使える高機能で高品質な Limiter、Clipper を探していて、目についたのが、この Saturate でした。


選択肢がなかった

今までどうしてもマスターセクション以外に強制的な Blick Wall や Hard Limiter を使うことに正直抵抗がありました、しかし、Bus または単体トラックで既に飽和させた音作りをしたい場合は多々あります。

そこで、しょうがなく Waves の L1 や L2 を使っていたり、Smack Attack や Infected Mushroom Pusher の Limiter セクションや Clipper セクションを代用品として利用してきました。個人的には IM Pusher のLimiter の出来はいいと思います。Clipper は普通にパッツリ音を切ってくれます。かなり歪みますけど。

あとは、超多様しているのですが、Nembrini Audio の LoFi Vintage Clipper がありましたが、こちらは独特のフィルター使用で、Distortion としては多用しますが、Saturator としてはちょっと使い方がまた異なります。

正直 Saturate に関しては、その見た目と操作性や、エフェクトの制御方法がパッと見、全然わからないので、最初はスルーしていました。が、1.7.0 の Update の時点で考え方が変わり、即導入となりました。

簡単な各機能の説明



DRIVE

そのまんま、Gain を追加するパラメータ。より多く Saturate させたい場合はゲインを上げていこう。


CLIPPER SHAPE

数学的な曲線を描くパラメータ。0 の場合、最小限の高調波成分が足されていく。0 を超えていくとより倍音が足されていきますが、レベルが低い信号に対しては影響を受けにくくなります。簡単に言うと入力信号全体的に Saturate していくか、レベルの大きい信号に対して Saturate していくか、というパラメータ。


DETAIL PRESERVATION

Spectral Clipper の調整ノブ。0 にすると、Spectral Clipper 機能は OFF になり、徐々に Spectral Clipper の恩恵を受けられる。

詳細は Newfangled Audio の公式 Blog を参照してほしいが、別途説明します。


SYMMETRY

ここでも直接長くは説明しませんが、クリッパーのシェイプの上下の調整が出来ます。これによって偶数倍音の制御が可能になります。

波形上部 + 側と波形下部 − 側の波形を個別に設定出来ます。

上下同じ用に歪ませると奇数倍音だけが発生します。この上下 ± で歪み方を変えると偶数倍音が発生します。

俗に言う非線形クリッピングで、真空管等のアナログライクな歪と同じような特性になります。

0 %
100 %
-100 %

CEILING

アンチエイリアシングの欠点として、オーバーシュートと呼ばれる現象があり、出力はその目標をオーバーシュートします。

HARD LIMIT ボタンは、クリッパーが 0 dB 以上のオーディオを出力しないようにする最終的なクリッピングステージを作動させますが、これはほんの少しのエイリアシングを再導入することになります。 おそらく聞くことはないでしょうが、これはトレードオフです。

基本的に DAW の最終段にこのプラグインを指すことは推奨していません。この機能は True Peak 制御ではないことに注意。

クリッパーとしての機能


一応、このプラグインは Saturate という名前通り、サチュレーション付加プラグインで、Clipper がメインというわけでもないのですが、このクリッパーの出来が非常にいいので即採用しました。

DETAIL PRESERVATION という機能がありますが、Saturate には「Spectral Clipper」なる Clipper が採用されており、簡単に言うと「他のクリッパーが削除する失ってしまうスペクトルと保持する」機能で、DETAIL PRESERVATION でその機能のパーセンテージを変えることが出来ます。

このパラメータ

基本 100% でいいです。というか 100% 以外使ったことありません。


DETAIL PRESERVATION ってなにしてんの?

その詳細処理については、Newfangled Audio がちゃんと語っています。

説明すると長いのでかなり端折りますが、クリップする領域、つまり 0 dBFS を超える場合には基本的にはエネルギーが大きい低域に作用し、特に低域のトランジェントに作用します。これによって、中高域のディティールが消えます。

よくあるスネアをコンプリミットしすぎてポコポコ言う音になるやつや、経験がある方も多いかと思いますが、極端にリミットをさせたり、極端な Sub Bass 音がマスターに入力されると、低域だけ聞こえて、他の音が圧縮されたような状態が続いたりすることを。この現象は通常のリミッターやクリッパーに起こりますが、この Spectral Clipper のおかげでそれが回避出来ます。

もちろん、そのディティール調整のために DETAIL PRESERVATION という機能があります。たぶん 100% 固定でいいと思いますが、音色変化を楽しむつもりでノブをイジっていいと思います。


私個人としての利用方法

このプラグインは本当にちょっとトランジェント成分のピーク調整をしたい場合、特にドラムの Kick、Snare、Tom 等の単発音や、パラレルで歪ませた音を混ぜる用であったり、Bus の Peak 制御、Bus に入力される音へ全体的な飽和感の追加など、自分がやりたかったことに対する答えを提供してくれたプラグインであり、別に他のインテリジェントなプラグインに比べると万人にとって 魔法のプラグインにはなりえない ので注意されたし。

ちなみに Clipper として最近個人的に多用しているのがこの Saturate と Venomode の Maximal 2 っていうプラグイン。こいつは Over-Sampling と Drive モードが 4 種あります。

クリッパーとしてはかなり優秀。

謎の ANTI-ALIASING ボタン


ボタン自体の意味はわかります。エイリアスノイズ対策用のボタンです。

この機能の効果は凄まじいと感じるでしょう。ぜひ、ON OFF で聴き比べてみてください。

音のクリア差がダンチです。

このボタンね。

単体トラックではかなり聞き分けが難しいので、マスターに思いっきり突っ込んでみて、ON、OFF を体験してみよう。別にエイリアスノイズが全て「悪」だとは思いません。ただし、有る無いではマスターのクリアさにかなり差が出るということを知っておくといいですね。

普通に Dirty 目な印象を求めているトラックに対しては OFF でもいいかなって思う時もありました。

もちろん、このプラグインはあくまで Saturator であり、最終段のマスターリミッター、マスタークリッパーではないことに注意。

 


オーバーサンプリングではないエイリアス対策

通常エイリアス対策は簡単なもの? として オーバーサンプリング があります。

 

しかし、これは単純に CPU 負荷が上がるので多用できません。そこで Saturate では anti-derivative anti-aliasing という数学的な方法で回避しています。

オーバーサンプリングと完全な True Peak の制御は非常に難しいものであると、この Saturate から理解できたと思いますが、True Peak を制御しつつ、オーバーサンプリングしているマスター系プラグインがエイリアスには完全には強くないことも理解していただかと思います。

ただし、聞くことは稀で、無視できる事柄であることを忘れてはいけないです。


anti-derivative anti-aliasing

これは 連続時間的なコンボリューションを利用して非線形の波形整形をしてエイリアスノイズを軽減していく という「なんのこっちゃ?」という技術。

論文がネットに転がっているので興味のある人は英語でどうぞ。こちら

簡単にいうと数学的に (微分された) 処理することでエイリアスを低減できるよ〜っていう数学的な対処法である。頭いい人が上手くアプローチを変えて対処してきた解決法とでも言っておこうか。

ちなみに論文を呼んでも基本的には ちんぷんかんぷん であるので、要は数学的にノイズを折りたたんだと解釈しておけばいい。

もう少し突っ込むと、連続時間 (Continuous-time) への変換ができれば、無限のオーバーサンプリングと同等と見なすことができるので、それを利用して通常のオーバーサンプリング処理ではなく、見なし処理をしてエイリアスノイズを回避しているんだよ〜って感じの理論。

そしてコンボリューションに関しては最終的なダウンサンプリングのためのローパスフィルター見なすことができるので、ナイキスト周波数内にしっかりと落とし込むことができるよ〜って感じの理論。

ちなみに Saturate の Anti-Aliasing は完全に折り返しを克服しているわけではない。

まとめ


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  • 書いた人: Naruki
    レコーディングエンジニア
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