本当にあなたは DAW について知っていて、理解できていますか?

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本当にあなたは DAW について知っていて、理解できていますか?

本当にあなたは DAW について知っていて、理解できていますか? 

おそらく、日本におけるシェアが多い DAW は Cubase、もしくは Studio One、Logic、だと思います。個人的には Pro Tools 9 が出たときが衝撃でした。現在でも TDM、RTAS ユーザーたくさんいます。10.3.9 を使い続けている人は周りに多いです。個人的には Pro Tools に勝るエディット能力の秘めた DAW はありません。ショートカット覚えたらサクサク楽々。

DAW を知る


おそらく DTMer や作家さん、アレンジャーさん、中にはプロのエンジニアさんでも DAW について間違った知識をお持ちの方はたくさんいます。DTM についてご自慢に語っているブログには間違いだらけが載っています。DTM レッスンのページにも堂々と間違いが記載されています。教える側が間違えてるんだから間違いが広るのは当然なのかもしれませんがね…

デジタルオーディオの知識をちゃんと理解している人はなかなかいません。この機会に間違いを正してください。というか結構あるんですが、自分の使っているもののスペックや構造を把握していない人多すぎです。趣味程度ならいいですが、こちらと仕事なんです。仕事道具について詳しくなくてなにがプロじゃ…とか思っているクズな私ですいません…

64-bit (DAW) と 64-bit Float (Double) と 32-bit Float (Bit Depth)


では、ここで、私に 64-bit (DAW) と 64-bit Float (Double) と 32-bit Float (Bit Depth) について正しい説明とそれぞれの違いについて説明してください。

……

おそらく、結構の方が 64-bit と Float についてごちゃまぜになって理解しているのでちゃんと理解できるように解説していきます。ちゃんと解説できている記事は Google の日本語検索では見つけられないでしょう…ここでは理解できるように書いていきます。

32-bit Float (Bit-Depth) とは?


正直、これを説明しなければいけない人はこの記事をこれ以上読む前に、レコーディング、ミックスをする前に一度勉強し直してください。Bit-Depth については説明しません。

ただ、一つ知っていほしいのは、ダイナミックレンジが 1680dB ありますってよく聞きますが、AD/DA は 24-bit で動いてます。そして、音声は 0dBFS 以上に信号を収めないでしょ? ミックスに使うダイナミックレンジはおそらく 30dB 程度ですから数字に騙されてはいけません。

ただし、24-bit レコーディングと 32-bit Float レコーディングが同じということではありません…32-bit Float を選択する理由は特になく、24-bit と音質は変わらないって堂々と解説している方もいますが、うわ…って感じですね。

確かに 24-bit から変換しているだけなので理論的には変化はないんですが、出音が若干違うんですよ…音質は同じって言ってる人は音の違いを認識できてないレベルの人だってことです…。後の内容に 24bit と 32-bit Float で違う結果も出ます。

64-bit (DAW) と 64-bit Float (Double) は全く意味が違います。


何故皆さん間違えているかというと、それは DAW のマーケティング戦略のせいです。64-bit エンジンとか 64-bit 対応! なんて言っていて、64-bit Float と 64-bit の事を基本的にごちゃ混ぜにして製品説明ページに書いて製品紹介しているからです。

そしてその結果、結構見かけるのですが、64-bit Float のことを「32-bit 処理から 64-bit 処理に対応した! だからメモリの制限がほとんどなくなった!」って解説してたり、64-bit Float エンジンのことを 64-bit アーキテクチャだ、って解説してたり。※ 64-bit アーキテクチャは いわゆる整数の処理で OS の 64-bit と同じ意味合いです。

単純な 64-bit DAW アプリケーションというのは OS の 64-bit と意味は同じで、オーディオとは全く関係がありません。 では、なぜ 64-bit で DAW の音質が向上! などと各メーカーは言っているのでしょうか。

DAW は各会社がしのぎを削って “オーディオエンジン” を開発しています。各会社オーディオエンジンが違うので DAW で音が違うなんて事が起きます。そのオーディオエンジンが 64-bit Float に対応した、ということです。だから音質が向上した、と発表するんでしょう。

つまりオーディオエンジン 64-bit というのは内部ミキサー処理が 64-bit Float に対応した、と解釈すればいいと思います。Logic なんかは「64-bit 集約エンジン」とまぁ、なんとも濁した言い方をしていると思いますが、おそらく集約=サミングと考えて良いでしょう。ミキサーデプスが 64−bit Float になっていると思います。

さっきから ミキサーデプス(Mixer Depth)って言っているけど何だよそれ…


DAW のミキサーデプス (Mixer Depth) について詳しい人や詳しく語っている人を Twitter で見かけたことがありません。同様に Pan Depth について熱く語っている人も見たことがありません。私が Pro Tools が好きなのは Pan Depth が簡単に変更できるからです。この話はまた別の機会で…

んでその Mixer Depth ってやつは、DAW は 16-bit だろうが 24-bit だろうが、32-bit Float のファイルだろうが、内部ミキサーでは 64-bit Float に変換して処理しています。ミキサーの音量部分では 64-bit Float 処理してますよってやつだ。

※勘違いしちゃいけないのは、DAW 上のすべての計算が 64-bit Float になるわけじゃない。

だから音がいい? いいえ違います

音が劣化しにくい。ということです。

いいですか、少なからず DAW は音を劣化させます。(これは DAW というか音量を操作すると変化するってやつです。)

音がいいのはオーディオエンジンでのおかげです。勘違いしてはいけないのは、64-bit Float だから音がいい、とは絶対には言えないこと。64-bit Float になったからエンジンの音質向上につながった、というような関係で、高音質 ≒ 64-bit Float というようなもの。

ご存知、整数 bit の場合は音量操作したら、もとの波形を復元できない、だから 32-bit Float のファイルを 64-bit Float Mixer で処理しましょうっていうことね。※ここを理解出来ない人はビット深度について理解できていません。

論より証拠


32-bit Float/384kHz が必要なわけ の記事にも繋がる説明になりますが、最初に 24/48 のファイルで説明します。

↓に24-bit/48kHz の 1kHz サイン波があります。

紛うことなき、1kHz、同様にスペクトラムをみて倍音がないことを確認します。

スペクトラムを見てわかるように非常にリニアな 1kHz です。

さぁ、Mixer Depth、64-bit Float のミキサーを動かしてみよう!

フェーダーを -20dB に下げる

曲をミックスすると、だいたい平均フェーダーの位置が -20dB くらいが多いですよね、最近のフルレンジを使う音多いですから…この状態で信号をバウンスしてみました。

表示しているスペクトラムの強さは一緒です。最初の画像より 1kHz のスペクトラムが弱まっているのがわかると思いますが、私は印象操作等はしていません。同じ設定で見ています。

さらに -40dB まで下げる

実用的には -40dB くらいまでがフェーダーを下げる限界だと思います。ここでもチェックします。

※ 注意していただきたいのは、このサイン波の原音は 1kHz の -20dBFS の信号で、サイン波のエネルギーはかなり小さい。量子化ノイズに至っては 24-bit DAC では再生できないほどエネルギーが小さい。(-144dB 以下)

同様に 32-bit Float/48kHz の 1kHz サイン波を -20dB、-40dB していきます。

先ほどと同じ設定でスペクトラムを見ています。だんだん、信号が弱まっているのがわかると思いますが、量子化ノイズは目に見えません。32-bit のほうがノイズがないですね、同じ波形つかってるんですが、理由はマジでわかりません。誰か教えて。Bit ごとのスペクトラム表示の問題?

ともあれ、これが、32-bit Float 音源 と 64-bit Float Mixer の実力です。24-bit 音声と 32-bit Float 音声とでは違う処理結果が出てきます。

いいですか? 64-bit Float の DAW でさえ、最終的な 24-bit の素材でかなり量子化ノイズは抑えられていますが、ノイズ自体は生まれています。当たり前といえばあたりまえですが、24-bit での書き出しは自然とノイズを生んでいた、とは意外と知られていないでしょう… もちろん DA は 24-bit なので 32-bit Float の音声を再生する場合、同じ量子誤差が発生するはずです。ただし、なんで 32-bit Float で書き出しをしなければいけないのかは、24-bit ではデジタルデータ領域で変化してしまうから。です。

64-bit Float Mixer のお陰で量子誤差はほとんど考えなくていいものになりました。最終的に 32-bit Float で書き出しすれば DAW を信用して大丈夫ということです。

ちなみに画像、載せてませんが、32-bit Float の信号を 24-bit に書きだせば量子化ノイズは発生します。当たり前ですね。24-bit と 32-bit Float が同じなんて解説をしている方がいますが、確かに同じ部分もありますが言葉足らずが否めません。ちゃんと理解できている人に言わせれば、確かにほとんど同じだが、違う部分はある、だから理解する必要があると教えるはず…これは非常に由々しき事態です。

詳しい Bit-Depth の解説は Vocal-Edit の方の非常に素晴らしい解説ページがあります。

あと浮動小数点演算については理解できないのは当然です、する必要性はあまりありません。が1つ言うなら、32-bit Float と 24-bit では、0dB 付近では誤差はほとんどありません。音量差が出た時に、数値の誤差が広がります。小数点が浮動するんだから、そうなるのは理系の人なら理解できるかな。

各 DAW を見ていきます。


Studio One は注意しましょう。デフォルト設定だと、勝手に Dither をマスターにかけます。また Studio One だけマスターがマルチモノで書き出せなかったです。ステレオですが、各 DAW 結果は同じです。同じことしてるので違いが出たら、やばいです。ただし同じ 1kHz の信号を使いまわしたのにもかかわらず、若干違いが見えます。これが DAW ごとの個性なのでしょう。

ただ気になるのは、Logic と Studio One、超極低域に、存在しない音が現れています。おそらく超極低域なので再生されない、もしくは聞こえない、音が小さいのどれかですが、もしかするとファイナルの低域になにか影響を与えるかもしれませんね。これについても別記事で書く予定です。

要点


AD 24-bit → 内部で 32-bit float 変換 → 内部 Mixer は 64-bit Float 精度で計算 → 32-bit Float でバウンス → DA 24-bit (誤差はおそらく耳では判断できないレベル)

ちょっと理解できると、たしかに 32-bit Float セッションで制作すると容量だけ食ってしまって、意味がない、と思いがちですが、最終的に 24-bit で書き出した場合、誤差をデータが保持した状態になってしまいます。なぜ 32/384 が必要か、という問に関しては、32-bit セッションで最初から制作すると音が劣化しない、ということです。プラシーボかもしれませんが、24-bit セッションと明らかに音は違います。

64-bit Float すげぇ


最近 DTM やるにはホントいい時代になりました。ミキサー部における量子化誤差ノイズはもう気にしなくてもいいはずです。正直 DAW に関しては知識は必要ないレベルで使えるようになってしまったということです。

しかし、DAW の主な構造、オーディオエンジンと Mixer Depth について理解していただけたと思います。重要なのは、ミキサー部で音質劣化が起こる可能性があるということ、24-bit と 32-bit Float の明確な違いを知ること。ただし、その他プラグインだとかは、また違う動きをしているので、音質の劣化に影響してきますが、それはご自分で検証なさってください…

量子誤差きにしなくていい! といっても CD フォーマットに落とし込むときは、ちゃんと Dither を使ってください。Dither についてはモンゴメリーさんの Tell 動画見るとめちゃくちゃいいと思います。英語ですがねw

  • 書いた人: Naruki
    レコーディングエンジニア
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