【新設計】電源アダプターからアップグレードしてみよう!【PR】
一部の方々、たいへんお待たせいたしました。いや、本当に待たせてすみません。
※ この記事は製品のプロモーションが含まれます。
ついに DC 入力製品専用のパワーサプライ、第二弾が完成し、販売しておりますので、その PR も兼ねて、電源の聴き比べを行いましょう、という企画です。難しいことですが「聴き比べ」ということを知識も付けつつ、楽しんでみましょう。という企画です。
詳しいことがわからない人もいるでしょうが、以前、私は DC 製品用の専用パワーサプライを制作してもらい、それを数少ないですが、ロットで生産してもらいました。
詳細は以下をご確認ください。
そして新しい電源が実は去年から出来上がっていたのですが、やっと自分の空き時間ができましたので、記事でいろいろ語って行こうかな、という趣旨です。
そしてついでに音の聴き比べでもしようじゃないか!というものです。
はじめに
この製品は AC アダプター経由で電源供給をするオーディオ用デバイスに開発されたパワーサプライであり、ご自身が所有している AC アダプターで動作するデバイスの電源を紹介する製品に変えて、動作の安定性と電源の変化に伴うデバイスの出力される音の変化を楽しむ物となっております。
この製品は通常の AC アダプター電源における問題を排除し、厳選されたパーツを利用して出力される音がなるべく機器本来が持つ音を追求することであり、簡単に言いますと、電源を変えて音が良くなる、という意味で捉えるより、本来デバイスの持つポテンシャルを最大限発揮するための電源、という側面をもっていただくと良いと思います。
私個人の意見ですが、オーディオ用の電源を整備するのは、いい音を追求する、という側面より、本来の音を追求する、という部分だと思います。積極的な音作りのための電源、というものも存在すると思いますが、私個人としては電源は音を変えるものではなく、本来のポテンシャルを発揮するためのものと捉えています。
最終的な音決めは設計してくださいましたエンジニアさんたちの耳で判断しております。
製品紹介 LCA-PS50VA
企画: Naruki
制作協力: 音響ハウス
販売: LA CASA ACUSTICA
ご購入は以下のページからお願い致します!
今回も音響ハウスさまのご協力により、私がただ、欲しかった電源を設計、改良してもらい、もう少しいろいろなユーザービリティを追加した製品となっております。
イメージ、見た目
まず、見た目が気になると思うので、製品イメージをどうぞ!
どうでしょうか。
見た目、重要です。スタジオや自宅の作業スペースに置いてあったら、かなりかっこいいと思います。電源が LED で青く光るのもいいね!
それ以外の情報も語ろうと思います。
なぜ、パワーサプライが必要なのか
現代のオーディオ製品でスイッチング電源 (または AC アダプター駆動) ではない機材を探す方が実は大変です。(AC 入力であっても中身はスイッチングサプライが内蔵されている場合がほとんどです。)
スイッチング電源に関連する問題でオーディオに与える影響は色々語られていることをご存知の方もいると思います。ここでスイッチング電源の何が問題であるか、という話は詳しくはしませんが、実情はグローバルに製品を販売する上でスイッチング電源が有利である、という部分が大きな割合を占めます。
あまり突っ込みませんが、日本には PSE という問題があり、ヨーロッパやアメリカでも似たような審査基準があります。それらの影響を鑑みて汎用性がある AC Adapter を各社採用しているという実情があります。また、世界中で電圧も違いますし電源周波数も異なりますので「それらすべてに対応したもの」が必要になります。世界中で販売しても大丈夫だよっていう製品を作るのは難しいのだ。
しかし、ある一定の価格帯の製品以上やメーカーの考え方によっては、スイッチング電源のノイズ対策やフィルター回路設計などがしっかりしているため、通常利用する場合には基本的には気にしなくてもいいという状況であると思います。
しかし、我々は音屋であるため、最後に行きつところは ルームチューニング と 電源 なのです!
この電源の特徴
ユニバーサル入力に対応しています。私の部屋は現在 120V 駆動で、私が計画している新しいスタジオは 230V か 240V を予定しているため、非常にありがたいです。(ご購入時に利用される入力電圧をお伝え下さい。)
そして出力 DC (直流) 電圧は 任意の DCV に設定できます!
通常 20 DCV 以上を扱うようなアダプターは稀のため、DC 駆動であるデバイスなら多分 9 割以上に利用できます。
例えば RME の製品とか Universal Audio の製品とか MOTU の製品もそうし、Focusrite もそうですよね、写真にも写っているんですが Antelope Audio の製品も DC IN のものには対応しますし、というか市場の大半の製品で利用できます。
DC 入力コネクタの形状は個別で違う場合もあるのでもし購入を考えている人はしっかりとお伝え下さい。大体 外径 5.5mm の 内径 φ 2.5mm か φ 2.1mm ですかね…? あと 4 pin のやつとかもあるよね。
製品スペックの話
このあたりはぶっちゃけ、マニア向けの説明で、よくわからないと思いますが、電源の構造のお話です。
新開発 ニューモデル
ハンドメイド Made in Japan
サウンドはより濃密で音楽的、そしてパワフルに
音像のレイヤーが見えてきます!!
- 徹底的なパーツ選別
- パーツの値を変えて試聴
- 回路設計の根本的見直し
- 電源経路 AC から DC までの極限的な短縮化
- 新開発 DC ケーブル
- Antelope Audio だけではなく、アダプター採用の各社デバイスに対応可能な可変 DC 出力
- AC 入力 100V、120V、240V 対応
- 医療用大容量トロイダルトランス
- 高品質ガラスエポキシ基板(FR4 2mm 厚、パターン銅箔 70μm 金メッキ仕様)
- 4 素子独立ゼロリカバリタイム ショットキーダイオード
- 2 x 10,000μF ハイエンド ドイツ製電解コンデンサ
- パーツと値を吟味した Zobel ネットワーク
(デンマーク製メタライズド ポリプロピレン コンデンサ&チェコ製 非磁性無誘導巻線抵抗) - 電源配線関連は極限まで長さを抑制、AC 入力端子直下にすべてを配置
- Touch Sense パワースイッチ&パワーリレーで ON/OFF 制御
等、妥協を排し入念な試聴を繰りかえし完成させた、高音質 DC 出力電源ユニットです。
入力 AC、DC 電圧はご利用機材に応じてお好みの電圧に設定可能。
というような感じです。僕はオーディオの設計技術者ではないので、わかるのは AC 入力が可変対応で DC 出力も可変対応であるというところくらいです。あと電源が大容量のトロイダルトランスのため対応デバイスを余裕をもって駆動できるという部分でしょうか。
まぁ、こういうのは、みんなで音聞いて違いが本当にあるのか、を検証してみようじゃないですか!
電源の違いを聴き比べて見よう!
まず、はじめに、聴き比べが如何に難しいことであるか、を説明したいと思います。
⚠ 同条件をつくりだすことの難しさ
今回の検証を行うために前提条件を設定する必要があります。
今回は Royalty Free の Music を Pro Tools 上に並べて、DA Converter 出力を 30cm の Mogami 2534 のケーブルを介して AD Converter へ戻しています。
↓
Pro Tools
↓
AMARI DAC
↓
Mogami 2534 (Neutrik Connector)
↓
AMARI ADC
↓
Pro Tools
↓
SSD Wav データ保存
となっています。DAC は Dynamic Range 138 dB で ADC の Dynamic Range 128 dB です。実際の S/N は視聴に利用する音に引っ張られるため、数値はあくまで音の正確な再現性を表すものと捉えてください。
ルーティングの関係上、完全な時間軸の同期は不可能であるため、Null テストは厳密には意味をなしません。後で詳しく説明します。しかし、全てが同条件でデータを生成しているため、比較視聴には人間の耳では知覚不可能であるため、同条件をみなし判断とさせていただきます。
⚠ Null テスト (逆相チェック) の問題点
一般的に音の違いを見つけたい場合に「片側のデータのみを逆相に (極性反転) して同時に再生視聴する」ということを安易に行う場合がありますが、この Null テスト、逆相チェックと呼ばれる方法は正しい知識と経験が必要です。
「逆相にして音が聞こえないから音に差異はない」と判断できる場合は非常に複雑な前提条件が必要で、それらの前提条件が成立していない場合、Null テスト、逆相チェックは意味をなしません。
また「逆相にしたら音が聞こえてきたので音に違いがある」と判断できる場合も同様で非常に複雑な前提条件が必要であり、逆相チェックをして音の差異が聞こえるからと言って、音が異なっているとは言えない場合もあります。
今回の条件は非同期性の問題があるので、厳密には Null チェックが難しいです。なぜかというと再生にに於ける遅延の値が電源によって異なるからです。今回 Buffering の問題を回避したかったために、1024 Sample で検証しており、1178、1173、1216 Sample と 48kHz に於ける遅延があります。24.43ms 〜 25.33ms くらいの違いでしょうか。
実際には私の環境は 10M のクロックを利用しているので無視できるレベルだとは思っていますが、環境によっては同期の担保が取れないため比較が意味をなさない場合があります。この同期性を担保するのは事実上不可能でありますが、無視してもいい領域であると今回は判断いたします。
公開するデータは発生タイミングを揃えていますので、非同期性の問題も考慮するに値しないレベルの誤差であり、Null テストは可能ですが、差異が 確認できる/できない 問題はまた別の正しい知識が必要です。
検証条件を深く理解して聴き比べをしてみよう
前置きが長ぇ、って思うかもしれませんが、聴き比べは難しいんです。
重要なのは、同期性 (完全に同じタイミングで DAC/ADC できるか) と音量管理、そして Float の下限を検証できるだけのデジタルオーディオ理論を知っており理解できているか、が重要になります。差異が無いと確認できるだけの知識と技術的な操作、そして差異がある場合の外的要因の排除が重要です。
一般的に DAC と ADC の同期性を担保することは厳密には不可能です。(同期の問題は Null テスト、逆相チェック時に必要であり、今回の視聴では無視できる範囲だと思います。)
音源を聞いてみよう!
以下、WEB API から音を呼び出しますと、正しい音声が再生されているか、判断が難しい場合もありますので、以下の URL からデータの共有ができます。
データの説明
- Original.wav
Royalty Free の音源を並べただけです。 - Normal Power Supply.wav
純正の AC アダプターの音です。 - Old Power Supply.wav
前に作ってもらった電源の音です。 - New Power Supply.wav
今回の電源製品の音です。
聴き比べる前に
- ⚠ Original の音源と AD 後の音の出だし波形が一致しません。(Auto Clip Fade 機能による)
- 落ち着いた状況でリラックスして聞きましょう。
- なるべく良い再生環境で聞きましょう。非常に難しい差異ですので、なるべく大きな音量でヘッドフォンも併用してみてください。
- なるべく静かな環境で聞きましょう。S/N が悪い環境で聞くと小さな違いを知覚できません。
- 一つの音を 30 秒は聞きましょう。人間は 数秒 で切り替えても違いを知覚できるだけの能力を持ち合わせていません。ポチポチ切り替えても違いに気づけない場合が多いです。
- 簡易的な 逆相チェック (Null テスト) では差異は見つかりません。見つけたい場合、ゲインを +40dB か +60dB、100 倍か 1000 倍にしましょう。
もう一度今回の設定を説明いたしますが、Antelope Audio の AMARI という Mastering Grade Converter の DA → AD を利用しています。すべて同条件のため、非同期性を除けば、DAC to ADC の誤差は無いものと考えていいくらいの検証条件です。
一応、データを WEB API 経由で於いておきます。
オリジナルの音から DA (電源) でどれだけ音が変化しているかの確認用です。
純正の AC アダプターの音です。簡単に総評すると、若干歪みっぽくてピークの音がビリついていますね。AD に入ったときにソフトクリップしたのかなぁって感じの音で、ぶっちゃけこれも場合によっては全然選択肢としてはありじゃないですか?
ただ、音が少し張り付いた印象で少しステレオイメージが狭い印象を受けます。
オリジナルと聴き比べてどのような変化があるかを聞いてみてください。
これは前に作ってもらった電源の音です。ピークのトランジェントがよく見えます (多分ピークで若干歪みっぽい?) が、もしかすると低域がほんのすこーし、非常に微々たる感じで歪みが多少聞こえるような?
音量は同じですが、少し音が大きく聞こえるような、低域の迫力の違いがわかるといいと思います。トランジェントの違いなのかな?
重要なのは奥行きというかステレオイメージの変化です。リリースの音が詳細に聞こえたり、ステレオ広がりが非常に繊細に聞こえると思います。
今回の電源です。実はエージングが終わっていないのでまだ化ける可能性があるらしいのですが、前の電源よりはスムースな音でかつ、低域のクリアさがあるような?
さらにステレオイメージの違いを感じます。もう少し広いのかなぁ、あと中域の再現度が明らかに新しい電源の方がいい気がします。あれ、中域の解像度高いな…ですよね、皆さんも感じてます?
まだ、もしかしたらエージングや使う電源ケーブルの太さの影響なのか、立ち上がりが少し丸く感じます。AD には非常に優しい感じがしますが、僕は Mastering Engineer ではないのでよくわかりません。
まとめ
私の自宅スタジオの環境は商用電源から 120V をちゃんと生成している? ため、元々の環境が良すぎるということもあるでしょうが、電源を変えると音が変わるのは間違いありません。ただ、この AMARI という製品がかなり電源部の回路設計がいいらしく、純正も確かに粗捜しをすればいろいろ見えてきますが、純正アダプターで十分なスペックを発揮していると言えます。
これは必須アイテムではなく、純正電源の悪い影響を排除したい。もっとモニター環境を構築したい!という人や、現代のスイッチング電源デバイスが気にいいらん!という人には非常にドンピシャなものかなぁっと思います。
ご購入は LA CA ACUSTICA より可能でございます。ご購入時には入力電圧と出力電圧のご指定と各デバイスのコネクタのご確認をお願い致します。
この場を借りて、いつも 音響ハウス 様のご協力、誠にありがとうございます。