この先のデジタルオーディオ業界をどうやって生き抜くか

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この先のデジタルオーディオ業界をどうやって生き抜くか

この先のデジタルオーディオ業界をどうやって生き抜くか 

今回は四の五の言わず、我々の命題に切り込んで行く。

我々は淘汰される側ということを自覚せよ


今エンジニア、作家等々を目指している人には残念なお知らせです。

我々の人材は淘汰される側であるということをしっかりと自覚してください。

夢を追いかけて入る業界ではありません。それなら戦略を練って Youtuber になるほうが遥かに当たる確立があります。一部批判がありそうですが、事実です。

それを以下に説明していきます。


自動マスタリングサービスは既に始まっている

利用している人はほとんどいないとは思いますが、既にマスタリングエンジニアは淘汰される側の一番身近にいる人々です。

ラウドネス基準も出来上がりつつあり、マスタリングはプラットフォーム毎ですべき議論も上がっている。

既に各プラットフォームごと再エンコーディングされています。

自分たちが精魂込めて仕上げた最終マスターに傷を入れられているのです。そんな感覚を覚えるのはエンジニア側の視点だけだと思いますが。


自動作曲サービスすら始まっている

僕は実は利用しています。

それ自体を利用している、というより作曲のアイデア出しに利用している、ということです。昔からある程度のジャンルやコードを入れると作曲に関するアイデアをいくつか表示してくれる作曲ソフトはあります。

作家もすでにコンテンツが細分化されてきた現代においてツールを利用できる人が作家になれるような時代が迫っており、音大を卒業して理論を徹底的に学ばなくても、センスで曲が作れるようになります。


歌い手すらいらなくなる

日本では誰もがその驚異をこころの奥底には感じているのに、誰も口には出さなかった大きな産業がありました。現段階は下火です。

初音ミクです。

彼女は登場が早すぎました。

元々は仮歌を機械に歌わせる、という用途向けに開発したものでしたが、これ自体がヒットしました。初音ミクは本当に登場が早すぎた。現代は Vtuber が人気ですが、まだ合成音声が流暢にリアルタイムで喋れませんし、歌も歌えません。しかし次世代は勝手に歌って踊る可能性があります。

これは次に来る、歌い手の消失の前段階です。歌姫が Virtual になる。


音楽はそれ自体には価値はない

頭のいい人たちは既に理解していると思います。

音楽自体に価値は元々ありません。時代や流れが価値を生み出すんです。

価値のない音楽にどうやって価値を見出すか、というビジネスが音楽産業です。

例えば、誰が歌っているのか、誰が作詞したのか、作曲したのか。誰が制作にかかわっているのか。等々

質を価値と位置づけるなら、どのアレンジャーにいくら払って、どのエンジニアにいくら払って音楽制作したか、等々。

そして、元々価値がなかった音楽をサービズを利用することで誰でも作れるような時代が来ます。

奇しくもこの事実を大多数の人に認識させてしまったのが AKB の握手券ですね。本来の CD の価値とは握手券よりも低いものだったことを大ぴらに宣伝するような印象的な出来事でした。

技術的な壁が崩壊する時


現代はまだ、技術的な壁が多く、誰でも作曲はできないし、編曲も難しいですし、レコーディングもできない、ミックスやマスタリングも難しいです。

ただ、次が来ます、想像力が皆さん足りません、想像してください。

初音ミクが来ました。これは登場が早すぎましたが、次に来ることは想像できます。

これが実現するのは間違いありません。歌い手が必要ない時代が来ます。打ち込む必要か、ある程度は自分で歌うひつようがあるかもしれませんが、不自然無くピッチ修正やタイミング修正を自動で行ってくれるような時代がすぐに来ます。

次世代 Auto-Tune みたいなものですね。

うまくキャプチャできれば、ついにはボーカルレコーディングが必要なくなります。自宅作業で打ち込めばいい。そして打ち込みができれば作家である必要はありません。ソフトウェアを使いこなせる人であればいい。

今でも動画編集くらいなら誰でも1日でできるようになります。それと同じくらい簡単にできる時代が来ます。

レコーディングは自動化できませんが、一度の「キャプチャをする時間」があれば、レコーディングは過去の作業になります。もちろんすべてがなくなるわけではありませんが、コンテンツが細分化される未来ではこのような想像が一般的になります。

コンテンツが細分化する事実を理解できない


このスマホ社会、情報社会になったのにも関わらず、事実を理解できない人が多い。

まず、一大産業自体は終焉しました。これからは隙間産業の時代です。

Youtuber は隙間産業です。

もちろん大手アカウントはありますが、日本国民全員が視聴しているわけではありません。ラグビー日本代表の視聴率が 42% だったらしいので、こういうのを一大スポーツ産業とでも言うのですが、Hikakin さんのチャンネルを見たことをがある人は日本人でも 40% は行かないでしょう。

いろいろなチャンネルがあり、それぞれ自分の趣向にあわせてチャンネルを視聴している事実や、スマホで調べたい情報を調べたり、今までは得られる情報端末が TV や新聞、または学校や本しかなかった時代から、好きなものを自分で調べられる時代になりました。

音楽の趣味もそうです。EDM や J-pop、K-pop などなど色々ありますが、僕はインターネットで Death Metal を知ってハマりました。ニッチなところに合わせてサービスを提供していく時代です。

細分化されたコンテンツをまとめるプラットフォーム


結構前から言われてきましたが、世界の通信トラフィック内、3/4 が動画です。

つまり、動画に注視したことを考えましょう。ビジネスチャンスです。

だれでも動画を作る時代になりました。その時、音楽関連であったらいいサービスとはなんですか?

既にスマホさえあれば動画は撮影できます。きれいな映像を取りたければ、で一眼ミラーレス市場は大盛りあがりです。

自動作曲、効果音作成サービス、絶対来ます。

そして、TV から Internet インフラサービスへ切り替えなくてはいけない時代が来ます。

つまり、今まで TV 業界にいたプロがインターネット界隈に流れ込んできます。

賞味 Youtube 以外で動画プラットフォームが無いので Youtube へどういったコンテンツを流して登録者数、視聴者を増やすか、考えます。

まずは内容と質でしょう。ここでニッチを狙うか、万人受けを狙うかは戦略の差がありますが、動画としての質が絶対的に必要な部分です。

自動化より質のいいものを


結局、皆さんまだ、AI の質を疑っていますよね。

そこに活路を見出すか、別に活路を見出すか、の違いであると思います。

しかし、コンテンツが多様化し、情報発信者が一般人になればなるほど、音に対する意識は絶対に低くなります。

Youtube で使われている音ってフリー素材の使い回しなのは、知っている人は知っていると思います。いろんな動画見ても、あの素材の音源やんけ、ってなりますから。

つまりは、だれでも簡単に利用できるサービスが今後の覇権を取ります。

動画制作向けの音楽産業に向けて誰か一緒に企業しませんか?

本気で考えてます。

動画編集者向けのサブスクリプション音声提供だと、1回の利用でダウンロードされまくって、解約があり得るから色々やり方難しいんだけど。

久々文字だけの記事


とにかく、DTM が趣味であれば問題ないのですが、仕事として音楽産業にいる我々は淘汰される側であることをしっかり自覚して行かないといけません。

なにができるか、で「いい作品を作る」と息巻いているのは簡単ですが、もっと理論的に情勢を見てほしいとは感じます。

今後はエンジニアは本当にいらなくなります。作家も必要なくなります。

必要なのは、作曲できてエンジニアリングもできる人です。つまり提供されるあらゆるサービスを活用してコンテンツのクオリティを上げてくれる人です。

エンジニアが、作家が、そういう人が必要なのではなく、コンテンツ制作において「必要な人」である、という視点を変えて考える必要があります。必要なのはあらゆる音楽サービスを駆使して動画のクオリティを上げてくれる人です。

今現在すぐにはこの状況にはありえませんが、エンジニアですって言ったって、そのころの制作側の一般人ですら「?」な状況になるでしょう。動画というコンテンツを作るために、音は別、映像は別という分業が薄れると思います。

次の時代はもうすぐです。サービスを作る、提供する側が得をするのはもちろんですが、サービスを上手く利用する側が得をする世の中になるでしょうね。

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  • 書いた人: Naruki
    レコーディング、ミキシングエンジニア
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