話題のフルサイズミラーレスついて語る

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話題のフルサイズミラーレスついて語る

話題のフルサイズミラーレスついて語る 

普段のサイトにアクセスしている人にとっては興味ない話題かもしれませんが、Sony の α7SⅢ の開発が遅れに遅れ、Canon が応酬するように、EOS R5 を発表しました。

私自身、そろそろカメラを一台追加で買おうと思っていて、そして購入を迷っているので、両方買わない、もしくは情報が出揃うまで待つ、はたまた、別メーカーの応酬を期待する等、考えています。

もしくは両機とも買えって話だわな。マウント用のレンズや記録メディアなど持ってないので 200 万円くらい必要だけど。

予算度外視であれば、以下のカメラしか選択肢はありません。もしくは Panasonic が GH6 を開発してくれるか。一応、噂レベルの情報ではあり得る。正直センサーサイズはどうでもいい、シネマカメラは Super 35mm サイズだし。

Blackmagic URSA Mini Pro

世界最先端のデジタルフィルムカメラ、登場! Blackmagic URSA Mini Pro 12Kは、デザイン賞を受賞したURSA Miniの筐体に、12288×6480解像度の12Kスーパー35センサー、14ストップのダイナミックレンジを搭載しており、デジタルフィルムに革命を起こします。80メガピクセル/フレーム、新しいカラーサイエンス、Blackmagic …

はじめに


私はスチルカメラマンではありません。というか、映像カメラマンではありません。ただ、私が撮影した映像が世に結構出てますが。

私の本業はレコーディング、ミックスエンジニアです。

なぜ、カメラの記事なんか書いているか、というと、私は広告代理店に出入りしていたときに動画撮影を覚えて、自分で撮影した映像を編集して MA までして曲を作ったり、整音したり、まぁワンマンで納品してました。

もう一度いいます。私の本職は音響のエンジニアです。ですが、映像も撮って納品するわけですよ。

でも、HTML や CSS、Javascript に PHP を利用してこのページを自分で制作しています。音だけで食っていける時代じゃないということだ。

カメラのおさらい


正直言います。今回記事で上げているこれらのカメラはハイアマチュア、プロシューマー向きの機材であり、一般ピーポーには全く関係のない機能が売りのカメラです。また片方は動画専用機で片方はスチル機能全振りです。まず用途がちげぇ…。

ですから巷でいろいろ話題になっていますが、一般ピーポーには全く関係ありません。4K だ 8K だ、熱暴走だ騒いでいますが、まず一般ピーポーには 4K 8K をポスプロできる環境がありません。

FHD 解像度で十分です。そうしないと編集ストレスがあると思います。

一応、コンシューマにも使いやすいのは EOS R5 だけです。

α7SⅢを一般人が購入しても真価を発揮できません。素直に α7Ⅲ とか、本気で写真やりたいなら α7RⅣ とか買ってください。写真も動画もやりたいなら EOS R5 しか選択肢がありません。

じゃ なんでお前は悩んでるんだ?


Sony α7SⅢ

α7S が出たときは業界の動画機は Sony 一択状態でした。それくらい衝撃的な製品だったんです。その高感度耐性の素晴らしさ、こぞって撮影チームは導入していました。その当時、現場では GH5、5D MarkⅢ などなどの競合がいました。

一部の物好きが Magic Lantern などを使ってました。

ただ、当時はまだ、ミラーレスに対する抵抗、Nikon や Canon の勢いやレンズの豊富さやその堅実なプロ向けの造りだけあって、HD 画質以上の解像度は必要ない (というかまともに 4K 編集できる現場が多くなかった) 状況であったので、Canon 5D シリーズが圧倒的に現場で利用されていました。

しかし、α7SⅡが発売されて以降、急速に Sony 信者が増え、撮影現場ではほとんど Sony が見られるようになりました。理由は高感度耐性だと思われます。

室内で証明を炊けない現場や、現場の光量だけで撮影したい夜街歩きの映像が流行りました。証明を炊かなくていいのはかなりのメリットでした。

環境の状況が悪い現場でもまともに撮影できるため、とりあえず回しといて、的な撮影も増えました。データが増えて後々まとめる人が大変になったりしたと思います。


Canon EOS R5

Canon の 5D シリーズのミラーレス版、と言っていいのでしょうか。正直、現状最高のカメラだと思っています。私は Canon の色味が好きで発色は Sony より Canon がいいと思っています。あくまで個人的な感覚です。

Canon 5D シリーズはミラーレスではなく、一眼レフですが、フルサイズ機の中で一番人気があったシリーズだと思います。まぁまぁ大きくて重いけど、数年前まで現場ではこいつがいないことはない、くらい使われていました。

本当に 5D は現場でめちゃくちゃ利用されていました。当時フルサイズで HD 動画を記録できるカメラは 5D しかまともになくて、追従する形で Sony がミラーレスでαシリーズを出してきた感じです。

私は現場では使ったことはありませんが、実験で Magic Lantern を利用したりしてました。この時 RAW 動画の魅力にハマったものです。

そして Sony や Panasonic がミラーレスで一歩先を言っているところ、Canon もミラーレスへ参入、こいつは Canon のミラーレスの集大成第一号って感じの最高のスチルカメラです。

Canon のフラグシップといえば 1DX ですが、現状ミラーレスのフラグシップがこの R5 です。

カメラを新調する理由


単純にレコーディングと一緒です。仕事で使うから。

あとは自分の腕を磨くため。新しい AD/DA 買うのとあんまり変わらないかな。感覚としては。

とにかく映像も音楽もポスプロが重要です。生で録った音がしょぼいのと一緒でカメラの生で撮った映像はしょぼいんです

そろそろ 4K でハイスピード撮影を RAW でやりたいなって思って購入しようとしているのです。

私の目的は 4K でハイスピード RAW 動画を撮影してみたい。という趣味全開な理由です。目的や用途はそれぞれ人と異なることを最初に断っておきます。

Canon EOS R5 vs Sony α7SⅢ


それぞれ、私の感覚で評価していきます。

カメラ製品もそうなんですが、メーカーのプロモーションに騙されている人多いので、そのあたりを突っ込んで、なぜ悩んでいるのか、を見ていきます。


画素 (解像度)

良く、画素でカメラの良し悪しを語る人がいますが、そんなのは AD/DA を測定数値で語るのと全く一緒です。もちろん音響機材の場合でも数値が必要な場合はありますが、一般ピーポーは考慮する必要ありません。

気にするのであれば α7SⅢ は買うな。以上。

音は理論的にはアナログの再現が可能な領域までデジタルが進化しています。しかし、映像はまだアナログの領域まで程遠いです。しかしそれは画素数とは関係がありません。

1 画素のサイズが大きいほど (画素数が少ないほど)、感度は良くなりダイナミックレンジは広くなる。そうです。詳しくは知りません。つまりフルサイズで画素数が少ないほうがダイナミックレンジ的には有利。解像度的には不利。

確かにカメラの場合は印刷などで最低限の画素数が必要な場合がありますが、そんなのは印刷物用に撮ったデータを納品するプロだけです。一般人が大判印刷しないでしょ…? 普通に 2,200 万画素くらいで十分だと思う。

Sony α7SⅢ は 約 1,210 万画素、実はこれは、旧 α7S シリーズより画素数が少ないです。スチルカメラとして利用するのはなかなか難しい。サムネ撮影用くらいだと思っていい。このセンサーサイズでは 4K 以上では物理的に撮影できないことを理解する必要があります。

対して Canon EOS R5 は 約 4,500 万画素、これは 8K も物理的に記録できる画素数があります。同じセンサーサイズに 4 倍近い画素数の違いがあります。これであれば印刷物も jpeg に圧縮してもシャープなディティールが保持できます。


AF

巷では 瞳 AF とかよく話題になりますよね。

すいません。AF とか使いません。関係ないです。

まぁ動く被写体とかを浅く撮って表現したい場合は便利だと思います。

Sony も Canon も動体に対する AF は素晴らしいらしいので気にしなくていいかと。(レンズ性能も考慮してね)


EVF

スチルカメラマンならレイテンシーとか画質とか気にすると思いますが、こちらは外部ディスプレイに表示して確認することが多いため、ぶっちゃけどうでもいいです。

最近はファインダーを覗いて確認することは野外以外ではあまりないですね。


ディスプレイ

両方ともバリアングル (タッチパネル?) のため、正直どうでもいいです。


防塵防滴

これ、実はかなり重要。両機とも対応。

環境のよろしくない場所での撮影は割と多いです。

真冬、真夏の場合、温度差が室内と野外で激しいので、役に立ちます。


バッテリー

複数常備、それかチャージしながらの運用が普通のため両機とも問題ないレベルで動作するでしょう。ちなみに純正より中華バッテリーのほうが持ちが良い、なんてことよくあるある。


重量

んなもん、プロは気にしません。どうせレンズのほうが本体より重いんだ。グリップ感とかが良ければそれでいい。三脚に乗せるし、あとジンバルに乗せる時の干渉が気になるくらいだ。


操作性

撮影時はリハーサル等を入れてスタートするので慣れでなんとかしろ、って感じ。操作性に文句があるのはわかるが、被写体にはそんなこと関係ない。正直確かに細かな設定に瞬時にアクセスできないことは多々あるが、しょうがないでしょ、と。


拡張性

流石に一人でゴテゴテしたカメラセット一式を持っていくことはしません。外部レコーダとか、ディスプレイとか、録音用のアタッチメントとか、ぶっちゃけいりません。

最近の iPhone のボイスメモめっちゃ優秀です。インタビューとかならこれで問題ない。マジで

レンズ


実は E マウントに非常に嫌悪感を感じている自分。ただ、どうせ単焦点か標準ズーム以外買わないと思うのでどちらでもいいかな。


E mount

まず、口径が 46mm って小さくない? レンズの大きいカメラの接続部が細くなってダサい。それだけで苦手。見た目大事。

フランジバック 18mm は普通。

G Lens は全然シャープだしいいレンズいっぱいあるけど、買うなら Sigma か Tokina のレンズ買うわ。


RF mount

口径 54mm これは EF マウントから変わっていない。

フランジバックは 20mm 普通。

とにかく大口径が多い印象。重くて明るいレンズが好きなので。Canon のレンズは魅力的。ただ、G レンズのほうが安い。あとサードパーティは今の所ない。

ダイナミックレンジ


音響機材でもしょっちゅう棚上げされるダイナミックレンジ。

もちろんカメラ性能を語る上でも良く言われます。しかしコレも騙されがちな指標です。

人間の目のダイナミックレンジが資料によってまちまちだが、1012 だったり、80 dB だったりする。

ちなみに日常光、太陽と星空を基準にして考えると、太陽は 23.5 EV ほどの明るさで、星空のみだと 0.01 EV の値になるという。大体 140 dB。あれ、音の数値と近いやん。 


α7SⅢ は 15+ Stop

Stop とか言われてもぶっちゃけよくわからんよね。15 EV のことだと思う。つまり 90 dB 超え。人間より見えてね?ってことになる。よくわからん。

ただし、これはあくまでも Sony の公証値でしか無い。


EOS R5 は既に有志が測定済

海外の有志がダイナミックレンジについてまとめている。

Log2 EV の指標で 11.85 という数値を叩き出している。つまり何 dB なんだよ。

よくわからん。

ちなみに α7Ⅲ や α7RⅣ も同じ位の 15 Stop のダイナミックレンジがあるらしい、それと比べると大体同じ数値 https://www.photonstophotos.net/Charts/PDR.htm


注意だけど

α7SⅢ は S-log3 撮影の時で、EOS R5 はあくまで PDR の話で動画の話ではない。

記録形式の話


EOS R5 はなんと クロップなし の全画素読み出しの 8K30p の RAW が内部記録出来るとかいうロマン砲です。12-bit Cinema-DNG が利用できるんだよ。ただ現状、内部 RAW 動画は 8K オンリー。

もちろん、熱の問題があるかもしれませんがそんなことはどうでもいい位 魅力的なスペック です。熱暴走嫌なら動画撮影すんな。って言いたい。それも含めて運用するの。

もちろん全画素読み出しの 4K も撮影できるそうです。オーバーサンプリングってやつですね、ただし、動画のオーバーサンプリングって圧縮コーデックで台無しになる (奴らはブロック単位で圧縮するから…) ので今後のサンプルやファームウェアアップデートを待って決めたい。

特に熱暴走はファーム対策するみたいだし。まぁ圧縮記録形式ビットレート下げることで簡単に対応はできそうだけど、それよりも 4K 120p Cinema-DNG が魅力的すぎる。

Sony α7SⅢ は内部記録、最大 4K 4:2:2 10-bit なんですよ。で、これ XAVC-S とか XAVC-HS で H.264 とか H.265 で圧縮されているわけですよ。

階調は S-log3 でかなり復元できるようですが、10-bit の H.265 や H.264 のデータなんです。

まぁ、16-bit RAW (おそらく ProRes RAW) を Atomos Ninja V で外部録画できるそうなんですが、真価を発揮するなら外部録画必須なのか。

これは 8-bit 階調をフィルムグレーディングしているので色の境界線が出ているのがよくわかると思う。もう少し滑らかな色がほしいのである。

つか、動画でダイナミックレンジって表現できるの?

結構ここが重要。

僕らの大好きな jpg これ 8-bit までの表現しか対応しない。ダイナミックレンジ的には約 46 dB である。α7SⅢ の公称値の約半分だ。

僕たちが普段キレーだなーって見ている画像はかなり圧縮されていることを肝に置いてくれ。しかし、画像にも Dither 処理があるので階調が深い画像を圧縮してもディティールが崩れにくいのだ。

10-bit の場合、8-bit の 4 倍で 約 58 dB。S-log3 でダイナミックレンジを収めているとはいえ、グレーディング時にダイナミックレンジが完全に復元するわけではなかろう…多分。

Cinema-DNG は 12-bit であるためにダイナミックレンジは約 70 dB、よくある 14-bit RAW でダイナミックレンジが約 82 dB。

Sony の謳う、外部 16-bit RAW 記録のダイナミックレンジは約 94 dB。どんな記録サイズになるか分かったもんじゃないが、コレくらいやらないと理論値には到達しないのだ。

もちろん、映像のビット深度は階調であり、白飛び黒つぶれの明暗のダイナミックレンジを表現するのはディスプレイの明るさ表現にかかってくるので、我々の目で見る分には 14-bit 相当で十分であろう。

もちろん、現像時に復元できるのがハイダイナミックレンジの利点であり、色表現の多さがビット深度に関連する。

こちらは 10-bit の階調、空の色の復元が出来る、通常快晴のお昼に撮影すると空は白飛びする。また門の部分の黒飛びが少ないのが特徴

俺は RAW 動画がやりたい


俺がやりたいのは RAW 動画だ。


α7SⅢ

RAW 動画は撮れない。

ただし、Atomos Ninja V で 16-bit RAW 撮影が可能らしい。海外のサイトをみると、HDMI は 16-bit で出力できるけど、Ninja は 12-bit の ProRes RAW で記録するみたいな記事がある。

Atomos の公式ページには 12-bit ProRes RAW で最大 59.94p という記載を見つけた。ProRes RAW は ProRes のコーデックだ。RAW ファイルではない。

俺がやりたいのは (圧縮) RAW 動画だ。ProRes RAW ではない。だって Davinci Resolve 使いなんだもん…


EOS R5

8K/30p で 12-bit Cinema-DNG で内部記録が可能とかいうロマン砲。

ただし、それ以外の解像度では現状 HEVC (H.265) で記録可能みたい。

Cinema-DNG もちろん 12-bit に圧縮されているが、RAW だ。まさしく RAW だ。おそらくこちらのほうがディティールがいい。あとあとポスプロでいじりまくれそう。

ただし、リアルタイムでエディットは不可能だろう。Proxy 必須。ってか 8K とか興味ない。4K 120p や HD 240p のほうが楽しそうでしょ?


Blackmagic RAW

正直、最高の RAW データ形式だと思う。3:1 に圧縮してもきれいだし、とにかく処理が軽い (らしい) 12-bit だし。詳しくは知らんというか書いてない。Cinema-DNG は処理は軽くない。だから XAVC コーデックなら 4K くらいサクサク編集できそう。

Blackmagic が BMPCC 8K とか発売しないかな。マジで。

普通に URSA mini Pro 買えって話だよな。レンタルでええわ…


悩みの理由

コーデック問題だ。10-bit 4:2:2 はもう飽きたんだ。十分このフォーマットで動画制作をしてきた。思った以上に軽いし、4K 60p もリアルタイムで編集可能で非常にいい形式だと思う。

ただし、今更 α7SⅢ で 10-bit 4:2:2 かぁーって感じなのです。それ以上でこねくり回したい。

じゃ、Ninja V 使って ProRes RAW で編集しろよって言われるかもしれないけど、ProRes RAW は FCPX じゃないと読み込まないのよ? Davinci Resolve では読み込まない…

あれ、EOS R5 最高じゃない?

HDR で撮れよ


そう言われると思うけど、HDR で記録する必要ある?

HDR はすべての環境で対応しているわけではないし、対応ディスプレイで見ないと意味ないらしいし。でも HDR の動画 10-bit だから色きれいだよね。どっちかって言うとダイナミックレンジがいいっていうより発色がいい映像に見える。

現状 Log 撮影よりも Cinema-like 撮影の方がグレーディングには成功しているし、やりたいのは RAW 撮影なんだよなぁ、ということ。

結論


今は時期が悪い。

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  • 書いた人: Naruki
    レコーディング、ミキシングエンジニア
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