【7機種レビュー】6人の現役ユーザーがインターフェイスを持ち寄り、聴き比べ!

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【7機種レビュー】6人の現役ユーザーがインターフェイスを持ち寄り、聴き比べ!

【7機種レビュー】6人の現役ユーザーがインターフェイスを持ち寄り、聴き比べ! 

僕はガチのプローユーザーが集まって、完全にクローズドな試聴会しか経験してきませんでした。それらのガチ試聴会の内容は基本的に公開出来ない内容となっていますので、今回、この様なオープンなインターフェイス試聴会に招待してくださった 6st さんに感謝致します。

インターフェイスの選び方って難しい


個人的には全くそうは思いませんが、世間一般的には難しいと思われています。特に都心に在住していて、コミュニティがあるところにいる人と、郊外で生活しており、なかなか情報を得られない人もいると思います。

今回は、実際に現場で活躍しているエンジニア、作家、アレンジャーまで幅広い層の意見が聞けると思います。もちろんインターフェイスの音は個人の好みの問題ですので、みんなが好きと言っているからあなたも気にいるわけではないと思います。

ただし、非常に参考になるようなことを皆さん追っしゃていると思うので、是非ご参考ください。できれば視聴して、最終判断はご自分でなさってください。いい音と好きな音はイコールにはなりません。

今回の参加者


つくねさん @tsukunemix
6スタさん
小菅こんにゃくさん
マモルさん
わろてっりさん
N氏 (ネタ枠) 一人だけエンジニア。

以下敬称略

参加者の所有機材


つくね

Universal Audio – Apollo x6

高域が細かく聴き取れる音だと思っています。

タイトで結構レンジは広い音な感じがして、この音が好きです!

Universal Audio – Apollo x6

これ一台で録りからMIXまでカバーできるオールインワンパッケージとして非常に優秀。

Antelope Audio – Orion Studio Synergy Core

AD/DA のレベルが Apollo と比べてもお値段以上の品質。DSP 6機積んでるため、今後の拡張性は非常に期待が持てる。あと見た目がカッコいい。(男子ならある程度同意してもらえるレベルかな)

6st
小管

Lynx – Hilo

分離感は高いのに下品にならず上品な元気感があって、ほどよく分析的ではない音がするのが好きです!

Apogee – Symphony I/O mk2

マスタークロックを Tascam CG1000 にしており、DA に関しては上下がしっかりでており、懐の深さは感じる。奥行き表現も得意。ガッツのある音なのでテンションは上がる音。正確かといわれれば微妙。

AD は Lynx、Prism、RME、UA、Pure2、HD I/O、Red 4pre 等様々試した中でダンドツに音像が大きく、ナチュラルだった。マスタリングで 2mix 通すより、センター楽器の音像をキャプチャーする能力が最高。タッチパネルから様々な機能にアクセスでき、近未来感がある。

わろてっり
マモル

RME – ADI-2 Pro FS

持ち運びできるコンパクトボディでありながら、音に情報量を感じさせる。ヘッドホンアンプとしての魅力もあり。小型でドライバーの安定感もあり、滞在先でのミックスや出先での歌録りなどにもいいかも。

Antelope Audio – Orion Studio Silver Panel

中高音域が特徴的で元気のいいサウンド。現代の新しい AD/DA とは音の方向性とかキャラクターの違いの範疇で、ぜんぜん現役で使えると思いました。

MacBookPro オンボード

MacBookPro のイヤフォンジャックに 2,000円 のイヤフォンを直挿しです。

自宅での普段遣いは AMÁRI です。ほとんど出先で Mac オンボードかスタジオのデバイス使います。デバイス持ち運びしないです。

N氏

比較参加デバイス一覧


画像の上から下順に

  • RME ADI-2 Pro FS
  • Lynx Hilo
  • Antelope Audio AMÁRI
  • Antelope Audio Orion Studio Silver Panel
  • Antelope Audio Discrete 8 Synergy Core
  • Antelope Audio Orion Studio Synergy Core
  • Universal Audio Apollo x6
みんなの持ち物です。Antelope Audio から借りたデバイスもありますが。
6st

圧巻の見た目ですね!

壮観な眺めですね。

小管

Discrete 8 Synergy Core は Antelope Audio さんからお借りしてきました。Antelope ユーザーが多い印象になってしいますが、国内のこのクラスのインターフェイスシェアは圧倒的に RME です。国内の 5割以上を占めていると、とある調査から推測されます。如何に RME が人気であるか理解していただけると思います。あと安定性が良いと評判ですね。

Antelope Audio は 2014年 の夏頃からインターフェイス市場に進出してきた、まだ 5年 の若造ですので、国内の全体シェアとしては 3% くらいのようです。20年近く前から RME や Universal、Apogee 等はユーザーも多いですし評価も高いです。

比較の方法、流れ


N氏が持ち込んだパッシブチャンネルスイッチャーを使い、A / B で2つのデバイスの音を聴き比べて行くことにしました。ケーブルは N氏 カスタムの Mogami & Neutrik バランスケーブルで統一、特に脚色なし。電源はカスタムがあるものは純正と比較。すべてクロックは Internal 動作。

リファレンスは Eric Clapton – Change The World (44.1kHz/16-bit) Studio One から 2台 の MacBook Pro から同時出力し、2台のインターフェイスを同時に動かし、その場で A / B が出来るようにリファレンスを再生。

今回は AD は確認せず、DA のみの比較です。というか、DA の出来と AD の出来が伴っていない製品はないので、DA が良ければ AD もいいに決まっている んですが。

※ 今回の内容はボイスレコーダーに録音した音声から文字起こしをしています。

壱回戦 – Apollo vs Orion Studio SC


Universal Audio の最新機種でフラグシップラインの Apollo x6。

対して、今月発売されたばかりの Antelope Audio Orion Studio Synergy Core。

N氏

いきなり、決勝戦みたいな組み合わせですね。この製品ライン (30万円クラス) でみんな悩むと思うんですが…

ちょっと DA のスペック比較しましょうか。

x6 は ダイナミックレンジ: 129dB ですね。

つくね
6st

Orion Studio Synergy Core は ダイナミックレンジ: 130dB です。スペック数値上ではほぼ互角ですね。

12 基のディスクリートプリアンプ搭載とかいう、変態設計。Re-Amp 回路が標準搭載っていうのが結構魅力的で、DI の音がすこぶる優秀でプレイヤーにもおすすめとのこと。Hi-Z 4系統は何時の日か役に立つでしょう (笑)
A/B のモニター出力と A+B のモニター出力が可能。非常に一癖も二癖もあるソフトウェア設計なので、最初は非常にとっつきにくくて慣れが必要なのが Antelope。製品と PC を繋ぐだけも非常に扱いは難しいと感じるだろう。
ANTELOPE AUDIO ORION STUDIO SYNERGY CORE
x6 も 8p もフロントパネルは一緒。個人的に改善して欲しいのがアッテネーターの精度。微妙な音量調整が出来ない。それ以外はフロントパネルからマイクの機能へ直感的にアクセス出来て、LED もきれいで高級感あるので ◎

8p の裏側、値段帯がほぼ同じだが、拡張性や汎用性、機能性がもう一つ足りない。だが、UAD-2 HEXA Core がそれを上回る利点になるし、ユニゾンプリと Thunderbolt カスケードがそれに見合う拡張性と可能性を秘めている。
Universal Audio Apollo x6

壱回戦 – ガチレビュー


6st

Orion SC 圧勝。中域の解像度が半端ない。レンジ感も広いし奥行きや広がりなど、空間表現のレベルは話にならないレベルで圧勝。Apollo も音はいいと感じるが、音が詰まってくると音が張り付きぐちゃぐちゃしてくる。

今回は AD プリの比較はしないですが、こいつ、Orion SC の AD 半端ない。ギターの厚みが Apollo で録音するのとは全然違う。勝負にならない。

Apollo は UAD-2 専用機と化す。リバーブとアンプシミュレータ専用機。Satellite として活躍中。

決定的な違いは AD 部分。「もうね、Apollo は…ダメ。

ユニゾン機能を使った「その音」が欲しい時以外、使いみちが見当たらない。

Apollo 旧世代にくらべて x6 はすごくいい音だと思います。上と下が元気があって作家さんやアレンジャーさんに好まれ、UAD-2 Plugin と合わせて一つのパッケージ製品として非常に人気があるのがわかります。

パッと聞きではこちらのほうが聞き慣れている音で、非常に好きですねこのタイトな音。だいぶ健闘していると思う。Apollo は UAD-2 とセットで真価が発揮されるデバイスなんだなと再確認しました。こちらのほうが制作スタイルとして合っている方も多いと思います。

Orion SC のクロック信号を Apollo に入れて聞いてみたら、もっと良くなりました。クロック欲しいです。次の沼にハマりそう。Apollo ユーザーは Antelope のクロックの購入を真剣に考えたほうがいいです。

ただ、正直なところ、Apollo の突出したいいところって見つけられなかったですね…機能性ありきの総合デバイスではないでしょうか。

つくね
マモル

クロックを入力すると全然違いますね、クロック入力するだけで、十分戦力として活躍できるレベルだと思います。音量感も変わりますね。

曲作る人にとってはテンションあがるような音なんでいいんじゃないでしょうか。あんまり印象がないですね。

Apollo は DSP と提供されるソフトウェアを考慮すると実質インターフェイスとしての値段は 20万円以下になるので、音はそこまで期待してはいけないとは思います。

いつも言っているのですがインターフェイス付属のチップベースマイクプリには期待してはいけない。Discrete Pre である Orion SC には到底かないません。設計自体が全然違う。

買い物とはどこを妥協するか、です。好きな方を選んでくれたらいいと思います。

個人としてはどっちかと言われれば Antelope しか選択肢としてありません。高度なルーティングが出来るコントロールパネルは仕事において非常に便利で必須です。

N氏
小管

音が歪みっぽいとは思いますが、これが Apollo らしさだと思います。

これはデバイスが持つ アート性 と捉えて、この音がポジティブに感じるのでいいと思います。

宅録やデモを作る際にこれ以上の音質があると、そこで決まらなくて悩む可能性があるので、Apollo はカジュアルに使えると思いました。

一番芸術的な音がするデバイスだと思っています。

この値段帯の Apollo、RME は、コンシューマーラインですね。この堺から上の Apogee なり、Antelope なり、HD I/O 系は決定的な差がありますね。

Apollo はドンシャリ。作家アレンジャーにとっては使いやすいし、UAD-2 も使えるし、みんな持ってるし、安心感ですよね。

わろてっり
6st

Apollo はプリセットありきのデバイスだと感じましたね。

例えば、ユニゾンを使ったり、Apollo で録ったドラムの音、ベースの音などに UAD のプリセットを選んで、ポン。というようなお手軽さが魅力なのかな、と

今音作りを1から Orion SC でやり始めました。Orion SC で作り直さないと、いい音で鳴ってくれない。

Orion SC は「お前俺の性能にあった音出せんの?」って感じのデバイスで Apollo はそれなりに鳴ってくれる。

つくねくんが言ったように UAD プラグインがあるからこそ、Apollo というオーディオインターフェイスが付いてきたパッケージ製品で、Orion SC は「あなたが作りたい音楽はなんですか?」とこちらに問いかけてくるデバイス。自分がしっかりしていないと、Orion SC は機嫌の悪い音ばかりスピーカーから出力すると思う。

Hi-Z に突っ込んでギター鳴らすだけで、本物の音が聞こえる。音作りをまともにしないと、良い答えを返してくれない非常に挑戦的なデバイス。

Apollo はドンシャリなんですが、これぞアメリカンな音で、わざとその様な音響設計にしている可能性も否めません。

Apollo は AD/DA として買うのではなく、UAD Plugin と合わせて利用していく製品なので、インターフェイスも DSP も欲しいという欲張りさんのための製品ですよね。

エンジニア目線だと、ルーティング機能は非常に有用でして…Apollo の選択肢はほぼ無いです。エンジニアとしては、ですが。

N氏
小管

Orion SC はとにかく音の分離感と表現力が圧倒的に違う。あたらしい世代の音だと思います。バランスの良さ、完成度の高さは、値段や機能性も考えると、一番じゃないかなぁ…

ローミッドの豊かさ、ミッドの解像度、キックの感じが非常に好み。

わろてっり
マモル

ギタリストに向いていると思いますね、Orion SC は守備範囲が広いデバイスって印象です。

それ故に多機能過ぎて Orion SC は覚悟を持って買わないと火傷しますね。本当に使い手の手腕に左右されるデバイスだと思います。おいそれとお薦めはできない。

DTMer としての利便性や即戦力性を求めるなら Apollo 一択 です。

Antelope が LiveClock っていう小さいクロックだしているので、Apollo 使いは外部クロックを買ってみてもいいかもしれませんね。

N氏

弐回戦 – 旧 Orion Studio vs 新 Orion Studio


N氏

銀色パネルの Orion Studio は 2015年に販売されました。4年でどこまで製品が進化しているのか、確認できそうですね。

また、マモルさんがトロイダルトランスのカスタムの電源を持ってきてくださったので、それも聞いてみましょう。

旧世代のデバイスの中古があるので是非狙ってみては?
https://store.miroc.co.jp/product/59030

初代 Orion Studio 基本設計は変化はないが、各ブラッシュアップが Orion Studio Synergy Core には施されている。旧製品は FPGA FX が無料で 60種類以上提供されているので、価格の安くなった中古品は非常に狙い目かもしれない!?

弐回戦 – ガチレビュー


マモル

銀パネ Orion だいぶ健闘してませんか!?

銀パネのほうが確かに歪っぽい印象なのかもしれませんが、こちらのほうが好きという方も多いと思います。まだまだ戦える音質だということが確認できて安心しました。非常にバランスがよく、気持ちよく制作できるレベルの音質は 4年前 のデバイスでも健在です。

また、圧倒的に電源を買えたほうがよかったですね。銀パネの電源を作る時、非常に苦労しました。トロイダルトランスの電源を使用するより、純正のアダプタ電源のほうが音がいい場合もあって、試行錯誤の末、ここにたどり着きました。

Antelope 製品は電源でさらに次のステージの音になると思います。

Antelope の音って Pure2 以外、実はちゃんと聞いたことが無くて、印象としては重心が高くて音が細いイメージだったのですが、Orion Studio Synergy Core が寧ろ重心が低くて、Orion の銀パネはそういった意味で、元気でガッツのある音で、Antelope Audio の音の方向性がこの 4年間 で変化していったことがよく分かりますね。

ちょっと言い方がわるいんですが、銀パネはちょっとうるさいとは思いました。Apollo もそうなんですが。クリエティブ向けには非常にいいとは思います。

わろてっり
つくね

銀パネは初めて聞いたんですが、すごいいいですね。

これは優劣とかではなく、好みの問題ですね。わざわざ旧製品から新製品に乗り換える必要性を感じません。新しいデバイスの音を求めていないのであれば、銀パネを選択します。

僕の知っている Antelope Sound は正にこれ。聞き慣れた音。一番好き。

ただ古い機種は手に入れにくくなってきているので、Rev2017 でも中古等で安く手に入れることが出来た人は運がいい人。

Eclipse 384 の系譜を踏んでいる音。最近 Eclipse 384 が中古市場で出回っているのを見たけど、非常に買い。あれ持っている人うらやましい。

N氏
小管

粘りとかパンチ感がいい感じですね。

やっぱクロックの良さなんですかね、音がピタッて止まるし、リリースも短く決まるし、バランス感がいいですね。

新しい Orion と 古い Orion で向いている方向性は違うと感じました。

マモル
6st

現行品と比べると元気ですね。

中高域がエネルギッシュで粗い側面もあるけど、聞いてて楽しい印象でしたね。

Apollo よりは 旧 Orion Studio がいいです。

参回戦 –  Discrete 8 SC vs Orion Studio SC


Synergy Core 対決。

N氏

方や、現時点 (2019/09/27) で ¥ 169,560 (消費税 8%)
方や、現時点 (2019/09/27) で ¥ 338,040 (消費税 8%)

ちょうど 2倍 の価格差。

コストパフォーマンスは最高だと思われます。全面にプリアンプ用のゲインつまみがあるので、操作性は Orion Studio よりもいいと思う。それでいてディスクリートマイクプリが 8基搭載なので安すぎでは?

面白いのが、Re-Amp 回路ともう一つのモニター出力に化けるラインアウトプット。そしてクロック出力が 3系統 もある。クロック同期して、音質向上と ADAT でシステム拡張などができるので拡張性にも配慮されている。
Discrete 8 Synergy Core

参回戦 – ガチレビュー


わろてっり

Discrete 8 SC コスパやばすぎ。

2倍の価格差が Orion SC とあるけど音の差はほぼない。

これは売れますわ。

音質重視云々で Apollo や RME を考えるだけ無駄、Discrete 買え。お話にならないレベルで違う。それだけ DA はこの価格帯でずば抜けている。

欲しい。拡張性あるし、ドラム録りの追加プリに非常にいいよね。

若干高域に物足りなさを感じたので、ケーブルや電源で遊ぶ余裕がある。この機種に対して最適なケーブルを見つけることが楽しみにもなるかな。

両者、確かに若干違うのかな、と思うけど、Orion SC のほうが音が挑戦的な感じ。

Discrete 8 SC のほうが音作りはやりやすそうなイメージ。Orion SC はやはり使う人の技量を試されるような感覚があります。

Orion SC と Discrete 8 SCの差別化はマイクプリの搭載量とクロックの質による若干の差と、Synergy Core の能力の差ということろ。

Discrete 8 SC は 1FPGA + 2DSP に対して、Orion SC は 2FPGA + 6DSP という2倍以上の能力があると思われる。

今後の Synergy Core FX の発展に期待するなら迷わず Orion SC を購入すべき。十分な恩恵が受けられるのが Orion SC だと踏んでいる。

6st
つくね

Discrete 8 SC 価格破壊ですね。値段が 10万円台 というのはかなり魅力的。

UAD-2 ありきでいくのか、Antelope のエフェクトで乗り切るのか、という選択ですね。

出音のレベルがこの価格で? すごい。

価格と性能で見れば非常に Discrete 8SC は魅力的ですが、個人的には 頑張って Orion Studio Synergy Core を買うほうがいい と思います。

流石に聴き比べると、ローミッドに差があって、Orion SC がいいなぁ。

小管
マモル

Orion SC と比べて Discrete 8 SC が劣っているとかの印象もなく、キャクターは全く同じ方向を向いていますね。

ゲインノブがついているので、外でドラムのレコーディングする人に特化している印象もありますよね。

インターフェイスとしてじゃなくてマイクプリとしても普通に優秀。

Orion SC と比べても DA は大差ない。ほとんど違いがわからないレベルなので、この値段設定がちょっとおかしい気がする。安すぎでは?

環境のグレードアップとして次のインターフェイスを探しているのなら買いですね。

あと、Antelope は魅力的なソフトウェア関連の続報が次々あるそうな。

N氏

肆回戦 – Hilo vs AMÁRI


同じ 2ch の AD/DA 対決ですね。

2013 年の設計モデル。中古なら AMÁRI より安く手に入る。Lynx はプロの間でも非常に人気の高いメーカーだ。
2in / 2out のオーディオインターフェイスであるが、AES/EBU などのデジタル入出力もしっかり搭載されており、電源は 2系統 も入力できる素晴らしい設計だ。
Lynx Studio Technology Hilo LT-USB
大きさは 2U で、XLR 端子のバランスヘッドフォンアウトがあるのが特徴。フロントパネルのタッチパネルディスプレイからほぼ全ての機能にアクセス出来る。モニコンとしての機能も発揮できるので非常に使い勝手がいい。
2in / 2out 仕様であるが、Hilo と一緒でデジタルの入出力がある。クロックは分配出来ない。純正電源が普通の代物なので、電源とケーブルでさらに化ける。Reference の Mastering Grade がおすすめらしいぞ。

肆回戦 – ガチレビュー


N氏

AMÁRI どうですか?

異次元

つくね
6st

異次元

異次元

小管
わろてっり

異次元

異次元

マモル
つくね

Hilo はまとまりが合っていいですね。好きです。音が丸い感じ。ちょっとエッジが足りないって思うときもありました。

むしろアレンジではこれくらいが丁度いいと思いました。家で使うインターフェイスであればベストチョイスになりそう。

あと、タッチパネルかっこいい。

Hilo 意外と好き。ヘッドフォンとモニターアウトの音が近いので使いやすそう。

最新機種と比べると上と下がスパッといないけど、真ん中のまとめ具合が絶妙なので潔くていい感じ。

ただ、自分の耳を鍛えるためにも、もう少し解像度のいいインターフェイスの方が良いんじゃないかなぁ?

6st
小管

いつも使ってる通りの感じ。

家ではもう少しべちゃべちゃしないので、家に持って返ってどれくらいの差があるのか、確かめたいですね。

Lynx はこの中で一番古い機種なのかな。

レンジの部分では劣りますが、耳障りが良くてリスニングに使いたい。

アウトボード出しの DA としては最高のチョイスだと思う。NEVE、MANLEY などに出してみたい。

わろてっり
マモル

Hilo はまとまり感がありますね。ただ印象に残りづらい…

迷ったら Hilo を買えばいいって言うくらい、まとまっている気がします。

ウルトラハイエンド、ウルトラローエンドが見えない意見がありますが、ミックスであれば真ん中が見えればいいので。

あと、タッチパネルの操作がわかりやすくていい。

N氏

伍回戦 – ADI-2 Pro FS vs AMÁRI


話題の Pro FS。ものすごく音がいいとネットでは評判だ。

シンプルな構造であるが、操作が難しいとのご意見。フロントパネルからいろいろな機能にアクセスできるのだが、そのアクセスが難しいらしい。ヘッドフォンアンプはバランス出力に対応。
裏面もシンプル。デジタルは AES/EBU と ADAT。電源が貧弱なのでこれも電源カスタムすると良いとの意見。筐体は非常に小さくて軽い。この大きさでこの音がするのは驚愕です。

伍回戦 – ガチレビュー


小管

元々は ADI-2 ユーザーだったですが、RME の AD/DA に疑問を持ってしまって、別の AD/DA を買ったんです。好きか嫌いで言えば、嫌いだと思います。

Pro FS は中高域の空間表現能力、綺麗に聴かせる能力は UFXⅡ などとは違って、物足りなかった部分が、埋め合わせできつつあるのかな? というイメージです。

FS はこの価格とこの筐体サイズでこの音が出るのであれば非常にいいと思う

これで完結してもいいんじゃないかな? 持ち運びができるかな。電源は USB 供給出来ないみたいだからそこはなんとか。

フロントパネルの操作性が最悪だけど、これに 魂を売ることが出来る人にとっては非常におすすめ ですね。

わろてっり
つくね

Pro FS も Hilo と似たような感じで丸い音の印象で、すごい好きな音です。ただ癖があるかなぁ?

ヘッドフォンの音がめちゃくちゃ好きです。

Pro FS、AMÁRI に完敗ですね。

ただヘッドフォンの音良かったですね。

DA の音は高域の粗さとか、奥行き表現の違いが顕著でしたね…冷たい印象があるけど、この様な音が好きで求める人は使えばいいし、コストパフォーマンスは非常に良いと思う。

マモル
6st

RME なんですけど DA が嫌いです。

RME のこの高域が嫌いでダメです…

点で音が飛んできて、突き刺さるような音に不快感を感じちゃう。

ただ、ヘッドフォンアンプの音はメイン DAC の音とキャラが違って好き。ただリスニング向けの音で気持ちいい心地良い感じ。普段使い用ではないかな…

RME の音はフラット。悪く言えば、膜に張り付いている音って意味で平面的。

ヘッドフォンアンプは非常に良い音がしました。設計思想としてはリスニングユーザー向けなのかな?

聞き慣れない音で、高域がフラフラしている感じ。クロックが正確すぎて良く見えちゃう?

これはおそらく視聴環境と音源の問題なので、この製品が一番総合的に良いと思う。

ただし、AMÁRI と比べてはいけない。相手が悪い。

N氏

AMÁRI 特別枠


AMÁRI へのコメントが あまり にも多いため、別でまとめました。

つくね

とにかく ローエンドが異次元です。衝撃的 でした。

低域の層が見えるんです。低域の中でも上、中、下の音が見える感じ。

空間の感覚はヘッドフォンの TAGO を初めて聞いたときの感じに近くて、頭の裏側まで広がって聞こえる感じでした。

謎技術のネガティブインピーダンス機能がすごい。よくわかんないけどヘッドフォンの音がスピーカーの音に变化する。

僕は、お金と音質は持て余していい という持論がありまして。

いいモノを持っていたら、スペックは落とすことは簡単じゃないですか。例えば、ケーブルだったり、ラジカセだったり、グレードを落として、聞くことは簡単に出来るけど、スペックやグレードを上げていくことは非常に難しい。

だから AMÁRI を買う目標ができました。

オーバースペック。音良すぎ。

Avid の MTRX より音いいだろうし。

上から下まできれい。この DA の音をマスターレコーダーに落とし込みたい

ジャンルを選ばないと思うし、これ良すぎて買えない。音が良すぎて買うのを拒否するレベル。使いこなせない。

わろてっり
マモル

音が正確であることも重要だと思うのですが、この AMÁRI の音は、彩りっていうのかな…肉厚感っていうのかな、音楽が生き生きとして聞こえて きて、例えば RME の音の印象は精緻、無機質感って言う印象だけど、AMÁRI は血が通った音って言う感じ。音楽的な響きですごい魅力的です。

必要なだけの機能は備わっているので、十分だと思います。マスタリングエンジニアには非常に向いている製品だと思います。

聞いたことがない音がしました。

僕の個人的な新世代の音は ADI-2 Pro FS の音だったんですが、AMÁRI は別の領域でした。自宅で聞いて見ないとわかんない。

空間の広さが、自分の曲でどう作用するのかがすごい気になりましたね。明らかに奥行きや左右が広い。

評価できませんね、、、これ凄すぎて。

小管
6st

ちょっと申し訳ないですが、今日ここで比べるレベルのデバイスが無いです。

これは、カテゴリーが違いますよね、今日ここに居ちゃいけない感じ。

AMARI は扱いきれないと思う…ただ、Orion SC と値段がそこまで変わらないので、、、非常に悩ましいですね。

AMÁRI の敵は 100万円 クラスのガチ業務用向け AD/DA。

今日の聴き比べてで圧勝できない相手がいたらそれはそれで問題というか、張り合えるすごいデバイスを発見! となってしまう。

とにかく ウルトラローエンドとウルトラハイエンドの伸びが圧倒的に違う。

あと値段設定がおかしい。70、80万くらいで販売して、100万円以上の市場で競争するべき製品。明らからに 30万円 クラスの音質じゃない

N氏
つくね

ヘッドホンの音が LR 180° じゃなくて 360° に感じるような感覚、頭の裏でも聞こえてくる。Sony の CDR-900ST で視聴しましたが、900ST の音ではなかったです。

900ST の音がスピーカー聞いているみたいでした。900ST が別の開放ヘッドフォンに変身したかのようなユニットの動きを感じました。あれは 900ST の音ではないです。AMÁRI はヘッドホンを別のナニカに変身させます。

6st
N氏

開発者の意図が伝わって来ていいですね。正にヘッドフォンをスピーカーのように駆動させる設計をしているんだとか。※ Web 参照

比較を終えて。


皆さん、非常に楽しい時間を過ごせたようで、満足していたようです。

※ 非常に贔屓記事に感じてしまうかもしれませんが、各コメントは当日のボイスレコーダーの内容から文字起こしをしています。ですので各コメント参加者の素直な感想です。もちろん発言者当人にコメント内容を確認して頂き、記事を公開しております。

これはあくまで個人の感想ですので、購入の参考にしていただければと思います。つまり、このレビューを鵜呑みにしてはいけません。これを踏まえて、ご自身の予算や使用用途でデバイスを吟味してください。

明らかにスペックオーバーなものを買っても、使いこなせないと意味がありません。また、各デバイスの設計思想や提供される技術をちゃんと理解しないと、デバイスの本領発揮ができません。

使用者のレベルで各デバイス、自分にとって、ゴミにも名機にもなり得ます。それを心得てください。身の丈にあったデバイスを選択することが一番重要かと思います。

個人的に、最近の AD/DA は中域の再現能力の質が向上しており、その技術進歩がそのまま新世代の AD/DA の音に反映されている感じがあります。

今後はネットワークオーディオがもっと普及するとは思うのですが、PTP 信号に新たな革命が起きないとネットワークオーディオの音質向上は進まないのでは…と感じています。

中域の再生精度ということでクロックの進化も期待しています。

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  • 書いた人: Naruki
    レコーディング、ミキシングエンジニア
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