【緊急協賛】VoosteQ – Material Comp【レビュー】
皆さん こにゃにゃちは(世代バレ)
まずはこちらをご確認ください。
皆さんすでにご存知かと思いますが、私がレコーディング、ミックスしたドラムの動画があり、そこで使用したマルチトラックデータと解説動画、そしてオリジナルのドラムサンプルがセットになった「In the Bedroom」という教則? を販売させていただいております。
In the Bedroom の詳細はこちらをご確認ください。
この解説動画上で非常に理論的な構造と設計を備えている VoosteQ 製 Material Comp が非常に DAW 上で使いやすいことを説明させていただきました。
また、発音を間違えていること、マジで誠に申し訳ございません!
そんなことよりも、なんと VoosteQ さまから直接ご連絡があり、是非 プレゼント企画に参戦させて欲しい という素晴らしいお声がけをいただきました。ですので、がっつりちゃんとこの Comp の構造や設計理念、使い方を「私個人の視点」で語らせていただきつつ、In the Bedroom のご購入者さま 3 名さま に抽選で VoosteQ 製 Material Comp をプレゼントさせていただきます!!!
ありがとう VoosteQ。いいコンプです。
In the Bedroom を購入するには
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ドラムのマルチトラックデータとトリガー用音源と解説動画が付属します。ご購入者さまは製品に付属している「初めにお読みください」のテキストを必ずお読みいただくようにお願いいたします。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/11/Box_Mockups_OK_1.png)
VoosteQ
私も少し前から存在は知っていました「純国産メーカー」です。
実は他人の DAW に刺さっているのを見て、ちょっと触って「現状最強の Digital Comp じゃね?」って思ったコンプです。デジタル制御が欲しい場合はかなりの確率で立ち上げます。嘘じゃないです。
中の人がどんな人であるのかは、ガチで全く知りません。が、日本語がネイティブだったので、100 % 日本人であることは間違いないでしょう。言葉を選ばずに申し上げると、いい意味でかなり「やばい人」なのはわかります。
だって、このコンプ、アホみたいに性能いいです。しかも、日本の 誰しもが理解してこなかった「ダイナミクスの制御」に対して非常に柔軟に対応できるように、この Comp は設計されています。考え方が日本の業界に染まってないのことを私は感じました。
日本の中枢にいたらこんなの設計できないでしょうし考えが行き届きません。信号処理に対して非常に高度な知識をお持ちであることは間違いありません。また、音楽と信号の構成を非常に論理的な視点で捉えている方でしょう。普通に Adcanced なことを聞きたい。そんな人です、会ったこと無いけど。
おそらく英語も堪能でしょう、なぜこのコンプが国産で発生したのか、は 突然変異 と考えるべき代物です。それくらい設計者の頭の中が見えるコンプってなかなか無いんですよ。例えば Fabfilter の Pro-C2 のコンプは明らか設計者は Dance Music 向けに作っているのがわかったりします。そんな感じで設計者の変態度が垣間見えるのがこの Material Comp。
しかも、すごいお値打ち価格。CMJ でみんな買え。なんていうか「みんな、このコンプでもっとコンプの理解度を深めて欲しい…」そんな声が聞こえてきそうなコンプです。もちろん、すべてこれはエンジニア Naruki の妄想ですから、そこは履き違えないように。
さてはて、色んな人がレビューしていると思いますが、私のガチレビューをここでは載せたいと思います。他の 有象無象のレビューなんか、吹っ飛ばずレベルのレビューを書いてやろう と思います。
(たぶん理解できない高度なレベルで書くから)心してかかれ。
Material Comp
一応、仕様とか技術的な話をしましょう。
- VoosteQ 独自のアナログ回路シミュレーション技術 ”DFP” を採用
- 6 つのコンプレッサータイプ
- 6 つのプリアンプのサチュレーション
- 8 つのアナログ回路のシミュレート
- 4 つのグルータイプ
- 2 倍のオーバーサンプリング
- 表示に高性能なアナライザー
- 完全 64-bit 内部処理による、最先端の透明感のあるサウンド
- 非常に低い CPU 負荷
- ステレオ/モノ対応
- 最大 192 kHz までのサンプリング・レートに対応
- 外部サイドチェインに対応
- リサイズに対応
- ディアクティベーション(認証の解除)に対応
- PDF マニュアル(日本語版、英語版)付属
まぁ、いちユーザーがぶっちゃけると、どうでもいい情報も多分にあります。
重要なのは 8 番 までの情報ですね。
勝手に想像する「DFP」とは
VoosteQ が 3 年の歳月をかけ て開発したアナログ回路のニュアンスを徹底的に再現する技術だそうだ。
発売が 2020 年らしいので、2017 年頃からコツコツ研究開発していたものでしょう。この手のものなので、大学または大学院で信号処理を研究している人かなぁって勝手に想像してます。もしかするとこのブランド自体は踏み台で実はすでにどっかの開発に手足突っ込んでるんじゃないか、的な想像もできます。ま、そんなこと考えられるのは多分日本で私だけでしょうが…
ちなみに「Division of Force Processing」の略だそうです。
そしてこの技術の詳細は一切語られていません。たぶんアナログ機材の機械学習的なものかと思います。これも想像ですが、現状プラグインの中身をちまちま自分でプログラム設定書いてく人は多分いないので、おそらく信号処理と機械学習の独自プログラムであると私は推測しています。
いや、マジで 60’s FET の挙動とかかなり本物に近くて笑えます。笑えるって表現はおかしいか「おほほ、似てる似てる」って感じです。音ではなく、Release の挙動とか実機の Reduction VU Meter の戻り方にそっくり。
おそらく数値にするには人力ではきつい部分を頑張って学習させてプログラムに落とし込んだものであると勝手に想像しています。マジでこれは個人的な妄想なので、勝手に憶測を広めないでください。
つまりは謎技術が使われているので非常に興味をそそるデベロッパーです。
6 つのコンプレッサータイプ
ここは少々真面目に解説する必要がある。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-10-at-23.42.14-1278x720.png)
- Modern
- 60’s FET
- Luxe VCA
- STUDIO MASTER
- OPTO
- TUBE
これら 6 つのモードがあるが、実際には わりと上級者向けのモード である。
なぜかというと、実際のモデルとなった実機の挙動を知らないと、適切な選択ができないからである。プロエンジニアであれば、おそらく挙動の癖を掴むのはそこまで難しくはないが、すべてのモードに独特の癖がある。当たり前だよな、アナログモデリングだもん。
で、使いこなすにはそれぞれの特徴と音を把握していないといけないので、これ一つで何でも対応できるけど、そこまで使いこなすレベルになるまでは、このコンプと徹底的にコミュニケーションを取っていく必要がある。非常にコスパのいいコンプであるが、当たり前であるが 学習コストは必要 である。
実際プラグインを使いこなせない人の 9 割以上が、プラグインと意思疎通が出来ていないだけだとは私は思うが、6 つのパラメータについて、個人的な解釈を垂れる。
60’s FET
60’s FET は 100 パーセント 1176 モデリング であることはわかる。だってリリースの挙動がそっくり出し。
ま〜それ以下でもそれ以上でもない、1176 モデリング挙動です。はい。
Luxe VCA
Luxe VCA はモデリング元はよくわかりません。有名なのは SSL-G とかですが、近年発売された高級感ある VCA らしいです。僕は機材に全く詳しくないので全然わかりません。ただ、別に挙動は普通の VCA。The Comp って感じの挙動して通常のアナログ VCA より自由度が高いので非常に良い。
特にアタックタイムを早くしたときの挙動はかなり汎用性が高いです。「あ〜硬い系の VCA の音だ〜」って感じで非常によく音源から聞こえてくる音にできるぞ。とにかくよくあるアナログ VCA より Release の値も早められるので非常に使い勝手が良い。
ドラムとか極端にリリースが短いトラディショナルな弦楽器とかに向いてるやつですね。
Studio Master
これは未来のコンプです。圧倒的な挙動のコンプ。
なぜかというと入力エンベロープに最適な Attack 挙動とリリース挙動を与えてくれる。通常のコンプってアタックの挙動に関しては本当に数値的な挙動しか与えられないんですが、この Studio Master は入力されたエンベロープに応じたリダクション挙動を与えてくれる。
Unisum? ってマスタリングコンプありますよ。僕はマスタリングエンジニアではないので、あのコンプ全然使い方わからねぇ! って感じですが、こっちは非常に「なんて私が欲しかった挙動をするの 💖」ってコンプです。もちろん狙った挙動を目指すなら Peak/RMS の調整必須ですけど。
入力レベルによってかなり最適な挙動をするので、わりと初心者にもオススメ。コンプレッサーで音を作り始めるのであれば、ここから調整するのをおすすめするくらい。ただ、もっと独特の挙動を求める場合は別のアナログモデリングを利用しよう。
OPTO
これも自分が知っているアナログとは若干挙動が違うので、なんのモデリングか「パッと」わからないが、やたら「アタック遅ぇ」が味わえるコンプです。CL1B? わかんないです。
ただ、圧縮感を演出したくない場合のコンプレッションの挙動としては非常に違和感が無いと言うか、自然なので、よくわかんなかったら「これ使っとけばええやろ?」くらい自然なかかり具合出ます。
まじで「Material Comp があれば実機なんかいらんくね?」って気持ちにさせますね。ある一定層には非常によろしくないコンプですね(笑)
TUBE
これは単純によく歪むコンプです。挙動はどちらかというと柔軟性がある普通のコンプって印象です。ただ、良く歪みます。ただ歪むと言っても非常にナチュラルというか、サチュレーション的な用途ではなく「アタック歪みがでるよねぇ〜」ってやつで「ヴィンテージの感じが似てるねぇ」ってコンプです。
挙動自体は普通かなぁ…パラメータが独特の値にもならないので、いい塩梅の歪ませ用途コンプです。
6 つの挙動を把握しておく必要性がある
それぞれ、特徴があるのでそれを常に把握しておく必要がある。自由度の高いアナログモデリングだと思っていただいて結構ですが、それなりに経験、知識、そして適切な判断が必要になるコンプです。
これらを適切に選択できるとき、あなたは「コンプマスター免許皆伝」くらいにはなっているのではないか。
私がもし何かしらの講師を努めていたら、これを使って「コンプマスターへの道」みたいな道場開きますね。はい。適当なこと言ってすみません。
6 つのプリアンプのサチュレーション
これは、正直測定しないとどうやって説明したらいいかわかりません。音の感覚の話をしてもあまり身のなることではないのであくまで論理的に思考していきましょう。
なので、Plugin Doctor に見てもらいます。とりあえず、6 つのコンプ特性も見ていきましょう。すべて実用 48kHz、プラグイン内部の 2x オーバーサンプリング「アリ」です。
この特性の見方がわからない人は気にしなくていいです。わからないことはわからないでいいのです。が、自分で理解しようと努力できる人だけついてきてください。
「TUBE」以外のコンプは非常に綺麗な特性です。以下は「TUBE」を通すだけの特性。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-0.49.50-1080x720.png)
2次と3次倍音が豊富に発生する。それ以外は基本クリーンでした。
以下は Auto 設定で Threshold 当てたときの THD の特性。
べつに折り返し特性は通常で特に対策はなし、オーバーサンプリングは 2x まで。測定結果にうるさく文句がある人は使わなくていいです。音楽は測定結果で決まらないので。
ちなみにプリアンプのサチュレーションの種類は
- Harmonics
- Analog
- Smoggy
- Tape
- Class A HOT
- Class A COOL
それぞれ独特なので見ていく。
Harmonic
なんというか、個人的にはつまみイジらないかなぁ〜って音してます。他のサチュレータ使いますって感じ。ここは真面目に。
音もちょっと昔のデジタル歪みっぽさを感じるので出番はないですね、自分は。
実際には MIX 100 % で使うことはないし、なかなか認識がしづらい音でもあるので、積極的な利用というより、若干明るくしたいとかの用途。そんなに折返しの密度がやたら多いので少しだけの利用に留めるくらいが丁度いいのでは。
Analog
非常にきれいな特性をしていて Harmonic となぜここまで違いがでるのだろうか不明である。
これは謎にエイリアスがないので、使えるレベルのサチュレーターです。かなりきれいに対称の特性をしているので割とレベルを上げずに RMS 稼ぎができるんじゃないかと。
非常に対称にリニアな特性持ちで極端な 20 kHz 持ち上がりなので、100 % で使うことは無いにしても、個人的にはとりあえずイジってみるか程度に導入できるパラメータ。
Smoggy
一番馴染みがないかな。
「60 年代ビンテージのパーツで組んだオリジナルのプリアンプのサウンドです。偶数と奇数倍音による複雑で曇ったサウンドです。 」
らしい。
特性的にはちょっと明るくなるような印象で、たぶん使わないかな…
一応曇ったサウンドという表現がありますが、特性的にも自分の耳的にも、割と Hi-Fi 嗜好ではあると思うんだけど、こーいうのは好みの問題ですね。
Tape
テープ特性ね、特に目新しくもないですが、周波数変化を感じられるそう。
完全に Tape を狙う場合のみ。ただ、これを使うのであれば、別の Tape シミュレートするかな。
ただ、Tape 持ってない人はこれは普通に Tape の特性が得られるので手軽に Tape Simulate したければ使えばいいレベルに特性も挙動も良い。
Class A HOT
昔のアンプあるある系の音になります。
若干、重心が下がるので EQ 以外で調整したい場合は出番あるかも。
特性も全然申し分ないしハイ下がりのサウンドはうるさいシンセサイザー系に一役買ってくれる場合もあるかもしれない。もちろん特性を把握して、それぞれ適切に適応していくことができるのであれば積極的に利用できるレベル。
Class A COOL
非線形としては結構使える部類かもしれないけど、どうでしょうねぇ。
こっちも特性的には明るくなるはずなんだけど、不思議と太く重心が下る。たぶん 2 次の効果かな。
かなり独特な特性ではあるが、個人的にはかなり使う部類の音になる。もちろん 100 % で使っていくことはなくて少しずつ調整していき、これくらいならいいでしょう、レベルで調整していく。
プリアンプのモデリングは別で流用すると思う
DFP の効果で付加できるものであると思うけど、モデリングは別の選択肢が多いのであまり積極的に利用はしないです。
もちろんこれは別途資産を抱えている自分だからこその発言で、選択肢が少ないユーザーにとっては非常に有用なオプションだ。
そして勉強にも もってこいである。アナログモデリングというは盲目的に良い音だと錯覚しがちだが、全てはその特性と素材のマッチングというか相性による。
注意点としては、これら Plugin Doctor の特性の視覚化については正直あまり意味はなくて、ただの説得力の為。測定するのは筆者の理解度を高めるためのもので、重要なのは出音です。
8 つのアナログ回路のシミュレート
結構そのモデルの特徴は捉えています。が、実際そのフレーバーが欲しい場合、プロのエンジニアは本物つかっちゃうんですよねぇ…
だから元々のモデリング元をしっかりと把握する必要がある場合がある。モデリングってやっぱ難しいな。
これらも積極的に利用することはあまりなくて、結局素材との相性である。特にこちらは極端に歪まない特性なので、モデリング先の特性に合わせた EQ をしているような特性になる。
Rich Buffer
トランスカラーらしい。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-1.54.09-1078x720.png)
トランス色を自分は特に気に入って使うことは稀なので、出番はほどんどありません。
しかし、トランスってこういう押し出しサウンドになるんだなぁ〜って感じを感じ取ってくれることが大事だと思います。
N-Type
これは出音はあんまりよくわからないですが、特性はホントにそっくりです。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.05.05-1077x720.png)
Neve 系のコンソール系、特にマイクプリは低域のリッチさというか若干のぼやけ感みたいなものを感じる場合が多い。これはコンソールのモデリングでマイクプリではないが、たぶんトランスの特性が強いんじゃないかなって思ってます。
詳しくないので他人から聞いた情報を自分で整理すると多分 Neve はトランスカラーが強いらしい。
S-Type
へぇ、S がつくアナログってこんな特性なんだ、実はあんまり良くわかってない。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.06.31-1075x720.png)
たしかに Plugin Alliance (Brainworx) が出している SSL のモデリングの特性を見ると同じ用に 中域 の押出がある。
USA M Console
あ〜わかる。200 Hz の押出し感は USA っぽいコンソールっすね。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.08.14-1070x720.png)
British Green
これは Tube の特性っぽい?
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.08.14-1-1070x720.png)
Cheep Console
安いコンソールって言ってるけど、一番使いやすいでしょ。絶対。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.13.22-1069x720.png)
60’s Surf
これはビンテージの特性のようです。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.14.53-1071x720.png)
これは特性を見て、使える使えないが判断出来ないときつい。
この特性の場合、ギターに利用するとドンピシャな場合が多いですね。
Analog+
ケーブルの特性らしい。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.16.39-1066x720.png)
選択する理由はポチポチしてみて、いいんじゃね? って思えるか思えないか。
アナログ回路のシミュレートの利点
なんか決まらないので、ポチポチしてみて、なんかこれでいいんじゃないかなってレベルのもの。
積極的に利用するものでもない。
あくまでモデリングでこれが曲のクオリティに左右するものではないと理解できないと行けない。アナログモデリング = 良い物 というは絶対的に当てはまらないので、これらのモデリングで各特徴を付かんで「アナログに夢を見るのを忘れる」ことが大事かもしれない。
もちろん、状態のいい本物は本当に不思議なオカルトじみた力強い音を生み出します。
4 つのグルータイプ
これはぶっちゃけると、さらに圧縮率を上げるパラメータだと思っていい。
以下はダイナミクスの初期値で Ratio 2、その他 Auto。スレッショルドは当たらないようにしているので圧縮はされていない状況です。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.23.44-1081x720.png)
Studio Console
SSL G コンプの圧縮感を追加できるって感じだけど…
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.23.56-1083x720.png)
これは簡単に言うと Glue というより、さらなる圧縮を追加していくもの。
ドラムのバスとかにはつかえるのかな…ちょっとあまり利用価値がこれと言って思いつかないので、パラレルのパラレルレベルで使うのがいいのかな。
たぶん、使っていくうちにその秘めたる有用性がわかると思う。個人的にはパラレルしたあと、このパラメータでパラレルするという状況が一番利用価値があるとは思う。
100% では使わないようにしていくのがいいのではないかな。
Aggressive Pumping
これはアタックの挙動がオートで可変している。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.28.57-1079x720.png)
上記画像ではわからないのですが、アタックの挙動が常に可変しています。
ですから、このポンピングに関しては、ポンピングの挙動が欲しければ積極的に利用できる。
派手な Kick 系とかには利用する価値はあり。ただ、これも曲によるので、癖を掴んでおくのは非常に大事だと思う。
Pop Tune
これは、マルチバンドコンプが適当される。1000 Hz あたりがピークでドンシャリな傾向になる。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.34.20-1072x720.png)
非常に滑らかな特性をもつマルチバンドコンプレッサーで、どうしても団子になりがちな Bus にはかなり有用な場合があるコンプ挙動です。
結構こういう謎マルチバンドコンプは視聴すると結構魔法のような出音に感じたりするので、Bus とかまとまっている音に対しては非常に有用に扱える場合があるので覚えておくとよろし。
Deep Bass
この測定ではなにも変化がわからない。が、こちらも 100 Hz を中心としたマルチバンドコンプがかかる。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.35.48-1075x720.png)
実際には 100 Hz がピークでマルチバンドコンプがかかるので、低域への干渉ができる。
動作自体は低域にかかるコンプで大それたものじゃない。
![](https://nk-productions.net/wp-content/uploads/2022/12/Screen-Shot-2022-12-11-at-2.39.03-1079x720.png)
その名の通り、Bass 低域に干渉できるので、低域楽器とか ドラム の Bus とかに使ってみるのは全然ありかな。
追加グルーはポンピングは使える
ポンピングのコンプ挙動は非常に使える場合があるとだけ、個人的には理解できた。
その他のモードはホント素材による、としか言いようがないので評価が難しい。
全ては特性を把握し、それを適切に適応できるか、が重要で、技術というよりかは下準備が大事ってことですね。道具を使う前に道具の使い方を自分自身で理論化すること。
もちろん天才はそんなこと必要ありませんが、私は極平凡なのでそれをしないと他人に勝てないからやってるだけです。
このコンプの利便性
特に重要なのは Input Trim があること。
Feedback 回路があること。
Peak/RMS の調整ができること。
Lookahead の調整があること。
Input Trim
実はスレッショルドの当たり具合で挙動がちゃんと変わるので、Input Trim で微調整できる。
そのための Input Trim だと思うが、結構難しいので、これらの機能は上級者が理解してくれればいい。
Feedback
通常 Digital Comp には Feedback 回路は無い。Feedback 回路については詳しく説明しませんが、マニュアルの言葉を借りると「ヴィンテージの回路を再現するモード」です。これは正しいというより、ヴィンテージの回路挙動を再現するモードです。
コンプの Feedback 回路については検索すれば情報が出てくるのでここでは割愛。
Peak/RMS
通常は Peak でコンプレッサーは動作します。トランジェント成分がある素材は Peak を利用していき、もう少しダイナミクスの抑制を積極的に行いたい場合は RMS を利用していくのが、多分、基本。
割とこの部分の挙動を % で調整できるコンプはあまりないので、積極的に利用していくべき。
Lookahead
アタックの検知精度を高めたい場合に利用してくもの。設定した分だけプラグインの遅延が付く。
確実なコンプレッションを目指す場合は必ず必要になる。もちろん若干挙動が変わるので確実に叩きたいとか、マスター用途に使う場合とか、利用頻度は割と高い。
もう少し高度なパラメータ
さらに自由度を上げられるパラメータが 3 つある。
Punch つまり、Transient Designer モドキ。
Groove は、謎技術のリリース付加機能。
Imager は低域に影響を与えず中域以上をステレオに広げる。
Punch
これは、よくある Transient Designer より簡易的な Transient Designer です。
Transient の Time の自由度が無いので、確実に制御したい場合は個別の Transient Designer を使ってください。
Groove
これは非常に謎技術です。
これは挙動を色々検証してみると、波形を生成しているように感じます。感じるだけで実際の挙動詳細はわかりませんが、リリースを追加するような感覚を覚えます。
かなり微細な変化なので、これは追加するしないの判断をする前につまみをイジってみてください。
Imager
これもどういう技術が謎です。測定してもなにも変化を与えませんが、Stereo が広がります。
これはそのまま使っても非常にナチュラルに調整できるので、このパラメータだけを利用するのは個人的にはアリだと思っています。
重要なのは選択的論理処理
いつもレビューは真面目で辛口であるが、このコンプの重要性は音楽にどうやって特性を当てはめていくかの調整レベルの幅が広いことだ。
個人的にはあまり使わない機能がある、が、それは使わないのではなく、別のプラグイン等で代用しているだけで、これ一つで学べるアプローチの多さが重要です。
Material Comp ではダイナミクスの調整の種類の選択が可能であり。その干渉度合いの違いについて 6 つのアナログアプローチの提案が設計者からある。
さらに、ハーモニクスの選択肢が 6 つある。これはトーンの選択肢を提案している。そして、8 つのコンソールカラーを提案している。
なぜ、設計者はこれらの機能を追加したのかを考えてみる。うむ。たぶん DFP で実現出来たからだろう。しかし、コンプレッサーのダイナミクスの挙動に干渉できる根本部分は非常に洗練されており、熟練のエンジニアでも、かなり使い勝手がいいと思うレベルだ。
最終的には 処理前と処理後の Waveform が監視できるようなメーターが Ver 2.0 で付くことを祈ってこのレビューを終えたいと思います。
しぇいしぇい。